不動産業界の敏腕経営者を直撃|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
広告

2024.10.07

不動産業界の敏腕経営者を直撃

不動産業界の敏腕経営者を直撃
関西の最激戦区「梅田」で奮闘

大阪の中心地「梅田」を基盤に、25年以上にわたり不動産事業を展開するベストレント(大阪市北区)。競争が激しく、これまで数多くの不動産会社が進出しては撤退を余儀なくされてきた同エリアで、長期にわたり事業を継続するのは簡単なことではない。同社を率いる密川誠社長がその事業戦略について語った。

-梅田を中心とした大阪市北区は、関西でも屈指の人気エリアの一つです。

密川 そうですね。特に当社が本社を構える茶屋町は、阪急「梅田駅」からすぐの場所にあり、若者に人気のファッションショップや大型の雑貨店、おしゃれな飲食店などが数多くあり、とても利便性が高い。居住区としての人気も高く、賃貸、売買を問わず、多くの不動産会社がしのぎを削っています。

-会社設立からずっとこの場所で営業活動されているということですが、並大抵の努力ではなしえなかったことだと思います。

密川 1999年7月の設立ですから、今年で25周年ということになります。私は設立当初からこの会社にいますが、代表者になったのは21年前です。

-不動産業といっても、その内容は多岐にわたります。御社ではどんな事業をされているのでしょうか。

密川 設立当初は賃貸仲介をメーンに行っていましたが、現在は賃貸管理、不動産売買、売買仲介、不動産賃貸業など、さまざまな事業を手掛けています。拠点は本社である梅田茶屋町店と中津店の2つ。中津店に関しては売買がメーンになります。

-事業内容が多岐にわたるようになっていったのには、何か理由があるのでしょうか。

密川 当社が事業を始めた頃というのは、それこそ賃貸仲介だけでも十分な売り上げが立つ時代でした。周りには賃貸仲介の専門店がたくさんあり、繁忙期ともなれば、どこも部屋探しに来られる方で溢れかえっていましたね。しかし、インターネットの普及にともない、わざわざ店舗まで赴かなくても部屋探しができるようになると、次第にどこの店舗も客数が減少。昔は飛び込み客もかなりの数いましたが、今はほとんどありません。当社も同じような状況で、このままジリ貧になる前に新たな収益の柱を作ろうということで、事業の多角化を進めてきました。結果、今の業容になりました。

-賃貸に関しては「初期費用の安さ」や「保証人不要」、「即入居可」などを強みとして掲げています。これらは豊富な自社物件を取り揃えていることで実現しているそうですが、実際、どのくらいの物件があるのですか。

密川 当社で所有している物件としてはおおよそ25棟1500戸になります。これとは別に、オーナー様からお預かりしている管理物件が500戸ほどあるので、合計すると約2000戸になります。場所は大阪全域におよび、一部、関東や九州にもあります。

-人気エリアで事業をされていると、賃貸だけでなく、購入希望の方も多く来ると思います。

密川 もちろん、実需の需要はかなりあります。当社の場合は、単純な仲介はやっていなくて、自社で仕入れたものをリニューアルして再販しています。基本、仕入れてから1年以内に売却しています。

-年間でどのくらいの数を販売しているのでしょうか。

密川 以前は毎年20戸前後の物件を扱っていました。しかし、今は物件の価格が高騰していて、なかなか思うように仕入れができていません。問い合わせはあるのですが、ご紹介できる物件がほとんどない状態が続いています。

-この先、状況が改善する見込みは。

密川 当面この状況が続くと見ています。物件の価格は上がっているのに、エンドの給料はほとんど上がっていません。他方、金利は上がる。これでは買いたくても買えませんよね?当社としては、さまざまな人脈や任売等の購入手段を駆使して、とにかくきちんと利益の確保できる物件を確保していくしかないと思っています。

-投資用の物件の引き合いもあるのですか。

密川 年間数件はあります。その場合、自社で保有している物件を売却し、代わりの物件を仕入れています。実需向けのときと異なり、こちらに関しては単純に他社の物件を仲介するケースもあります。

-今後に向けた課題や展望は。

密川 円高に転じた影響で、欧米系の投資家の動きにブレーキがかかりつつあります。一方で、中国人や韓国人、台湾人の投資家の動きはあいかわらず活発です。今後は後者との取引を増やしていきたいですね。あとは管理も少しずつ増やしていければと思っています。

(企業プロフィール)
会社名:株式会社ベストレント
免許番号:大阪府知事(6)第47021号
住所:大阪府大阪市北区茶屋町5-1 ヨネビル