気になるあのニュースの真相~ (見出し) レオパレス21 家具・家電の不適切処理で立ち入り調査|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.03.13

気になるあのニュースの真相~ (見出し) レオパレス21 家具・家電の不適切処理で立ち入り調査

腐った企業体質はいまだ改善されていないのか?

(リード)
 1月23日、エアコン、テレビなどの廃棄家電を不適切に処理した疑いがあるとして、環境省などが賃貸アパート大手のレオパレス21(東京都中野区)の本社に立ち入り検査していたことが新聞報道などによって明らかになりました。このニュースを聞いて「またか」とあきれ返った人も多かったのではないだしょうか。本紙記者が事件を取材しました。

(本文)
「よくもまぁ、次から次に不祥事を起こすもんだ。もういい加減、あの会社との付き合いはやめたいよ・・・」

東京都内でレオパレス21のアパート2棟を所有するAオーナーは、諦め顔でこう語りました。残念ながら、Aオーナーは同社とサブリース契約をしているため、すぐに同社との付き合いを辞めることはできません。しかし、契約がなければすぐに付き合いをやめたいというのは本音のようです。同社は今回に限らず、オーナーを裏切り続けてきたのです。
 今回問題となったのは家電の不適切処理です。エアコンやテレビ、冷蔵庫、洗濯機などの家電4品目は、消費者から引き取る義務や、それを製造業者が指定する引き取り場所に引き渡す義務などが、家電リサイクル法によって定められています。しかしそれにもかかわらず同社は、家電付き物件を扱う過程で自ら調達した家電を、これらの義務を果たさずに、不適切に処分した疑いが持たれています。昨年7月の時点で、違反の可能性を把握した環境省は同社に対して、処理の経緯など詳細の報告を求めていました。
 現段階では、立ち入り検査の内容を確認している段階のため、不適切な処分がどの程度の規模で行われていたかなどについては不明です。ただ、その驚くべき手口については、ある人物がすでに週刊誌に告発しています。
 ある人物とは、天草運送TENZENのオーナーで、レオパレス21創業者深山祐助氏の大学時代の学友でもある恩慈宗武氏です。同氏によると、レオパレス21のアパートで使用された家具・家電は、いったん千葉県内にある「関東備品管理センター」という場所に運ばれ、その後、白ナンバーのトラックによって埼玉県内の廃棄処理場に移され、そこで穴埋めにされたそうです。運ばれた家具・家電には、リサイクル券は貼られていなかったといいます。
 「呆れてものも言えない」とは、まさにこのことではないでしょうか。というのも、同社は施工不良問題で経営再建中の身だからです。昨年5月に、負債が資産を上回る債務超過の状態がようやく解消され、2022年3月期決算で、純損益が4年ぶりに黒字に転換したばかりでした。一時は倒産危機も囁かれていただけに、胸を撫で下ろした株主も多かったのではないでしょうか。それなのに、直後にまた新たな不祥事が発覚したわけです。これでは世間に後ろ指を指されながらも同社を応援してきた株主やオーナー達は報われません。「企業体質だから仕方ない」と言ってしまえばそれまでですが、それにしてもひど過ぎます。不祥事で経営陣が変わったのに、腐った企業体質は改善されないのでしょうか。100歩譲って、不適切処理が現経営陣たちの手によって自主的に明らかにされたというのであれば、

「レオパレス21は本気で膿を全部出し切ろうとしている」
「生まれ変わろうとする覚悟を感じる」

と、多少なりとも今後に期待できます。しかし、実際はそうではありません。恩慈氏の告発がなければ、もしかしたら今もまだ本件は明らかにされていなかったかもしれません。
環境省は、是正を勧告するかどうかも含めた同社に対する今後の対応について、「処理の実態を調べた上で検討する」としています。一方で同社は「環境省に関わることなので回答を控える」としています。いずれにせよ、オーナーの心配事は尽きません。これで膿はできったのでしょうか?これ以上、新たな不祥事が出てこないことを祈るばかりです。