税理士にはそれぞれ得意分野がある
税理士には得手・不得手があるのをご存知でしょうか?
「税理士は税金に関することは何でも知っているんじゃないの?」
と思っている方もおられるかもしれませんが、実はそうではありません。法人や個人の税金申告が得意な税理士もいれば、特定の業種に強い税理士もいます。当然、相続が苦手な税理士に相続対策を頼むと、望むような結果を得ることができません。今回は税理士事務所を変えたことで節税額が増えた事例をご紹介します。
「最初に提示された節税額に満足できなかったため、試しに知り合いの税理士にも計算を頼んでみました。すると節税額が160万円から480万円に増えました」
こう話すのは、お父様の死去に伴い財産を相続することになった佐藤琢磨さん・静香さん兄妹です。
お父様は長年、税金に関する相談は将棋仲間のS税理士にしていました。琢磨さん自身も何度か顔を合わせたことがあったこともあり、相続税に関する手続きについても、そのままS税理士に依頼したそうです。
お父様は以下の資産をお持ちでした。
・自宅土地(面積約150㎡):6000万円 ※路線価40万円で計算
・自宅:150万円
・現預金:5000万円
合計1億1150万円
ご自宅の建っている土地が多少変形していることから、S税理士は不整地補正を適用して評価額を10%下げて節税金額を算出しました。
・土地の評価減
150㎡×路線価40万円×不整地補正10%=600万円
・遺産総額
1億1150万円-600万円=1億550万円
・課税遺産総額
1億550万円-基礎控除4200万円=6350万円
・相続税額
6350万円×1/2×20%-200万円×2人=870万円
・節税金額
1600万円-870万円=730万円
結果、730万円節税できることが分かりました。一見すると、かなり節税できるようにも思えますが、琢磨さんは「本当にこれが限界なのか?」と疑問を持ちました。というのも、実は琢磨さんは不動産関係の会社に勤めておられて、節税効果は依頼する税理事務所のレベルによって、増えることもあれば減ることもあるということを知っていたからです。
1円でも多く節税したいと考えた琢磨さんは、仕事関係で付き合いのあった相続専門のY税理士事務所にも節税金額の算出を依頼しました。Y事務所も節税ポイントとして着目したのは、S税理士と同じように、不整地補正でした。しかし、Y税理士はS税理士よりも詳細に土地の形状等を調査し、不整形地補正率を30%としました。この結果、最終的に節税額を900万円と算出しました。
・土地の評価減
150㎡×路線価40万円×不整地補正30%=1800万円
・遺産総額
1億1150万円-1800万円=9700万円
・課税遺産総額
9700万円-基礎控除4200万円=5500万円
・相続税額
5500万円×1/2×20%-200万円×2人=700万円
・節税金額
1600万円-700万円=900万円
両者の差額は170万円。相続財産全体からすると微々たるものかもしれませんが、それでも170万円は大金です。琢磨さんはこの結果に大満足しました。
このように、税額の算出はやり方や計算方法によって大きく変わることがあります。金額が大きくなりがちな相続関連の場合、きちんとした知識やノウハウを備えた税理士に相談しないと、結果的に大変な損をすることもあります。お困りの方はお近くの相続不動産相談所まで。
税理士には得手・不得手があるのをご存知でしょうか?
「税理士は税金に関することは何でも知っているんじゃないの?」
と思っている方もおられるかもしれませんが、実はそうではありません。法人や個人の税金申告が得意な税理士もいれば、特定の業種に強い税理士もいます。当然、相続が苦手な税理士に相続対策を頼むと、望むような結果を得ることができません。今回は税理士事務所を変えたことで節税額が増えた事例をご紹介します。
「最初に提示された節税額に満足できなかったため、試しに知り合いの税理士にも計算を頼んでみました。すると節税額が160万円から480万円に増えました」
こう話すのは、お父様の死去に伴い財産を相続することになった佐藤琢磨さん・静香さん兄妹です。
お父様は長年、税金に関する相談は将棋仲間のS税理士にしていました。琢磨さん自身も何度か顔を合わせたことがあったこともあり、相続税に関する手続きについても、そのままS税理士に依頼したそうです。
お父様は以下の資産をお持ちでした。
・自宅土地(面積約150㎡):6000万円 ※路線価40万円で計算
・自宅:150万円
・現預金:5000万円
合計1億1150万円
ご自宅の建っている土地が多少変形していることから、S税理士は不整地補正を適用して評価額を10%下げて節税金額を算出しました。
・土地の評価減
150㎡×路線価40万円×不整地補正10%=600万円
・遺産総額
1億1150万円-600万円=1億550万円
・課税遺産総額
1億550万円-基礎控除4200万円=6350万円
・相続税額
6350万円×1/2×20%-200万円×2人=870万円
・節税金額
1600万円-870万円=730万円
結果、730万円節税できることが分かりました。一見すると、かなり節税できるようにも思えますが、琢磨さんは「本当にこれが限界なのか?」と疑問を持ちました。というのも、実は琢磨さんは不動産関係の会社に勤めておられて、節税効果は依頼する税理事務所のレベルによって、増えることもあれば減ることもあるということを知っていたからです。
1円でも多く節税したいと考えた琢磨さんは、仕事関係で付き合いのあった相続専門のY税理士事務所にも節税金額の算出を依頼しました。Y事務所も節税ポイントとして着目したのは、S税理士と同じように、不整地補正でした。しかし、Y税理士はS税理士よりも詳細に土地の形状等を調査し、不整形地補正率を30%としました。この結果、最終的に節税額を900万円と算出しました。
・土地の評価減
150㎡×路線価40万円×不整地補正30%=1800万円
・遺産総額
1億1150万円-1800万円=9700万円
・課税遺産総額
9700万円-基礎控除4200万円=5500万円
・相続税額
5500万円×1/2×20%-200万円×2人=700万円
・節税金額
1600万円-700万円=900万円
両者の差額は170万円。相続財産全体からすると微々たるものかもしれませんが、それでも170万円は大金です。琢磨さんはこの結果に大満足しました。
このように、税額の算出はやり方や計算方法によって大きく変わることがあります。金額が大きくなりがちな相続関連の場合、きちんとした知識やノウハウを備えた税理士に相談しないと、結果的に大変な損をすることもあります。お困りの方はお近くの相続不動産相談所まで。