悪質業者によるリフォームの訪問販売被害が続出!?|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
Pick Up

2022.08.01

悪質業者によるリフォームの訪問販売被害が続出!?

悪質業者によるリフォームの訪問販売被害が続出!?
消費者庁や自治体による営業停止命令が相次ぐ

(本文)
「断っても断っても、しつこくやってきて本当に迷惑だった。ときには『契約してくれるまで帰らない』と言って、長時間居座り続けられたこともあった。知り合いの弁護士が追い払ってくれなかったら、いずれ契約させられていたかもしれない・・・」

 こう語るのは、神奈川県横浜市に在住の田中聡さん(仮名)だ。田中さんは2020年の4月頃から約1カ月間、地元に本社を置くリフォーム会社の執拗な訪問販売を受けた。このままではいつか根負けして契約書に判を押してしまうかもしれないと危機感を募らせた田中さんは、仕事で付き合いのあった弁護士に相談。弁護士がすぐに相手方に対して営業行為を控えるように書面で警告してくれたため、ようやくしつこい営業から解放されたという。
 実は、こうした執拗な訪問販売で半ば強引にリフォーム契約を結ばされる被害が、このところ増えているという。きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大だ。テレワークの普及で人々の在宅時間が増えたことが、悪質業者にとってかえって千載一遇のチャンスになってしまったのだ。読者のみなさんの中にも、最近リフォームの訪問販売が多いなと感じている方がおられるのではないだろうか。もちろん、訪問販売自体が悪いわけではない。ほとんどの業者は一度訪問して駄目だったら、それ以上しつこく営業することはない。何度も何度も押しかけて執拗に契約を迫るのは、ごく一部の業者だけだ。
 実際、今年になってから行政がリフォーム会社に対して厳しい処分を下すケースが各地で多発している。例えば6月末には消費者庁が、悪質な訪問販売を繰り返したとして、兵庫県神戸市に本社を構える外壁塗装業者2社に対して、6月末から9カ月間、訪問販売の一部について業務停止を命じた。2社とは、外壁塗装などの訪問販売を行う新生ホームサービスと新生ビジネスパートナーズ(ともに本社は兵庫県神戸市)だ。資料によると、両社は連携して、遅くとも2019年11月以降、訪問販売の際に、相手方が契約しない意思を示しているにも関わらず執拗に勧誘したり、通常の値引き金額を特別な値引きであるように告げるなどの行為を繰り返していたという。
 また、3月には、小田原市に本社を構えるサンテックというリフォーム会社が、神奈川県から業務停止命令を受けている。同社は住宅リフォーム工事の勧誘が目的であることを告げずに消費者宅を訪問しただけでなく、消費者宅の屋根等の状態について、事実と異なることを告げるなどの違反行為を行っていたという。被害件数は令和2年と3年の2年間で計42件にものぼった。しかも被害者の平均年齢が69.2歳であるというのだから、あからさまに高齢者ばかりを狙っていたことが分かる。県は同社の行いは「相当悪質だ」と判断したようで、処分期間を15カ月間という長期に設定した。さらに代表取締役に対しても同様の処分を下している。
 執拗な訪問販売をする可能性があるとして、消費者庁から直接名指しで注意喚起されているリフォーム業者もある。日本eリモデル(兵庫県神戸市)とみらい住宅開発紀行(大阪市北区)、ウィズライフ(大阪市北区)の3社だ。なぜ消費者庁がこの3社を危険視しているのかというと、3社がいずれも、先述した新生ビジネスパートナーズの従業員を代表者としているからだ。社名も本社所在地も違うため、傍目にはこれらの会社はまったく関係がないように見える。しかし、実際にはつながっていて、同じ手口で悪質な勧誘を繰り返す可能性が高いと見ているわけだ。もしやってきても絶対に応待してはいけない。しつこく食い下がってくるようなら、すぐに警察を呼ぶことをおススメする。
 読者のみなさんも、悪質業者の被害に遭わないように、ぜひとも気を付けて欲しい。しつこい営業でお困りの方は、一度お近くの全国優良リフォーム会員にご相談下さい。