闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第16回)|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
人気

2021.04.19

闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第16回)

闘将野村~弱小企業を一流へと導く新経営理論(第16回)
08 営業に必要なものとは-仕事心と商売心①

 自分の力量と相手の特徴が分かったら、いよいよ攻略である。相手の強みを攻略するのは難しい。当然、相手の弱い部分を攻めることになる。

-先方は、このメーカーが取り扱いがないからこのメーカーを取り扱おう-
-先方は人手が足りないから小回りが利かない。当社は、即日対応を前面に出していこう-

など、他社との違いで自分の会社の特徴を前面に出した広告を作るのである。
 自分の会社が思うようにうまくいかない場合、それはもしかしたら、大手と同じやり方をしているからかもしれない。大手の常識が、挑戦者にとっては常識にならない。非常識な考えが、挑戦者にとっては時に有効であることを覚えておく必要があるだろう。
 以前いた社員に営業の基本を教えているときに、次のようなことを言われた。

「私は駆け引きのようなことはしたくないのです。良いことも悪いこともすべて理解してもらった上で買ってもらいたいのです」

それで売れるなら良いですが・・・。
 今後、単純に良いことと悪いことを比較して説明するということであれば、いつの間にかそこのポジションはITに取って代わられてしまうだろう。どんな商品にも強みもあれば弱みもある。すべて自社の商品が優れているわけではないし、もちろん安いわけでもない。

「当社の商品は、すべての面において他社よりも劣っております」

と、正直にしゃべって買ってくれる人など、いるはずがないのである。もちろん、だからといって嘘をついて販売したりするのはルール違反だ。では、駆け引きだったらどうか?ルール違反になるのだろうか?
 お客様に「納得して」+「満足して」買っていただく。現在のITには、まだできないことが一つあります。商品に「感情」を注ぎ込むということです。購買心理学の有名な言葉に、「人は感情で買って理論で正当化する」というものがあります。売るために必要なのは、理論ではありません。「感情」なのです。
 野村監督は「感情」の駆け引きを、野球に持ち込みました。

(次号に続く)