良心的な業者を装ったリフォーム詐欺が多発しています。「無料点検」や「キャンペー価格」を謳って近づいてくる業者は、もしかしたらあなたの家を狙っている悪質業者かも知れません。今回は夏に多発する、シロアリ駆除詐欺について取材してきました。
1匹いたら100万匹いると言われる白アリ。一度狙われたら、古い木造家屋などはひとたまりもありません。実際に被害に遭ったことはなくても、こんな話を聞かされたら、誰でも「うちは大丈夫かしら」と心配になるのではないでしょうか。
そんな心理を逆手にとるのが、シロアリ駆除を装った詐欺です。白アリの活動は、床下が高温多湿になりやすい夏場に最も活発になるため、この時期はこうした手口の詐欺が横行します。被害に遭わないためにも、手口や対策について知っておきましょう。
白アリ駆除を装った詐欺業者は突然やってきます。よくあるのが、「近所でシロアリ被害に遭われたお宅があったので、近隣のみなさんにも無料点検を実施しております」といって、床下の点検を行おうとする手口です。「ご近所ってどちらのお宅？」と聞いてみても、「個人情報に関わることなので詳しくはお答えできません」と言って、どこで被害が出たのかは教えてくれません。「今は主人がいないので」と言って、その場で断れれば良いのですが、誰でもしつこく食い下がられると断りづらくなるもの。「無料だからまあいいや」と思って家の中に入れてしまうと、後々取り返しのつかないことになります。
床下点検の結果、白アリが見つかることはほとんどありません。でも業者は「やっぱりいました」と言って手に持った白アリを見せて来るはずです。もうお気付きかもしれませんが、この白アリは他のところで捕獲したものを持ち込んだだけです。でも、実際に目の前で見せられたら、ほとんどの方は疑うどころか「お願いして良かった」と思うはずです。実際に被害に遭いそうになったというAさんは、
「最初は怪しいと思ったけれども、無料と言うのでとりあえず点検してもらうことにしました。そうしたら白アリが見つかってとても驚きました。でも、お願いして良かったと思ったのがいけなかったんですね。結局、高額なシロアリ駆除契約を結ばされてしまいました」
と話します。Aさんは契約後、事の次第をご主人に相談。改めて別のシロアリ駆除業者に点検してもらったところ白アリは発見されなかったため、契約を解約して消費者センターに通報しました。仮にそのまま駆除作業に入った場合、ご本人達は実際の作業に立ち会うわけではないので、現場でどのような作業が行われたのかは分かりません。業者はとりあえず駆除作業らしいことをやったように装い、高額な代金を請求してきていたはずです。
不必要なリフォームまで提案
白アリ駆除詐欺がとにかく悪質なのは、ここで終わらないところです。ついでだからといって、駆除と関係ないリフォーム工事を進めてくることがあります。「白アリに喰われた柱はボロボロになってしまったので、耐震補強工事をした方が良いですよ」「白アリは高温多湿な環境を好むので、再び白アリの被害に遭わないように床下に換気システムを導入しましょう」というような提案を次々としてきます。しかも勧めてくるのは、素人では本当に必要なものなのか判断できないものばかり。「今なら少し値引きさせてもらいますよ」と断れない状況に追い込み、契約させようとしてきます。
それでは、断り切れずに契約してしまったらどうすれば良いのでしょうか。契約したと言ってもその場ですぐに駆除作業が始まるわけではないので、一度業者が引き上げた後にご家族や消費者センターなどに相談することをお勧めします。インターネットでその業者の評判を調べるのも良いかもしれません。仮に詐欺行為を行っている悪質な業者であれば、ネット上でも要注意業者として注意喚起されているはずです。不安を感じたら、すぐにクーリングオフを利用して契約解除するようにしましょう。
仮に本当に白アリが発生していたとして、駆除を業者に頼む場合に悪質業者に引っかからないようにするためには、いくつか業者を選定して相見積もりを取るようにしましょう。もちろんインターネットなどで業者の評判を調べるのも忘れずに。白アリが見つかるとどうしても「被害を拡大させたくない」という想いから慌てて駆除の依頼先を決めてしまいたくなりますが、数日で被害状況が大きく変わることはありません。それよりも時間をかけてきちんとした業者を選んだ方が、後々安心です。
世の中には、悪質なリフォーム業者が五万といます。詐欺被害に遭わないようにするためには、その手口や対処法をして多くことが大事です。また、分からないことを何でも気軽に相談できるパートナーがいるとより安心です。リフォームに関するトラブルでお悩みの方は、お近くのリフォーム取引販売士に相談してみてはいかがでしょうか。
