50年健康住宅 「80歳の母のお風呂選び~笑顔が戻る迄の体験記~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2018.06.25

50年健康住宅 「80歳の母のお風呂選び~笑顔が戻る迄の体験記~

50年健康住宅 「80歳の母のお風呂選び~笑顔が戻る迄の体験記~
先日、連休が取れたので母を連れて温泉に出かけた。大浴場が有名な温泉宿だったが、部屋のお風呂で良いと言われて、結局最後まで大浴場には行かなかった。80歳近い母にとっては、お風呂の出入りも体に負担が大きく辛いのだ。
 うちの実家は築40年のステンレス製のバランス釜である。浴槽をまたぐことすら辛い母のために、家のお風呂を交換してあげたいと考えた瞬間だった。

 しかし、お風呂と言ってもメーカーや種類がたくさんあるので、正直、素人には選び方が分からない。そこで条件を3つ出した。

①ヒートショック対策ができていること【保温性】
今やヒートショックの死亡率は、交通事故よりも多いと言われている。うちはタイル貼りで、冬は寒く、夏は暑い。また、老夫婦2人で暮らしていることから、初めに入るのが年老いた家族になる。一番風呂は凍える程、風呂場が寒い。

②お掃除【カビの繁殖や掃除の楽さ】
老夫婦にとって、腰をかがめての掃除は辛い。また、カビの繁殖は体にも悪い。実家のタイル張りのお風呂場の目地は、カビでうっすら青緑になっている。

③滑り止め【安全性】
普段、まっすぐ歩くのもままならないこともあり、シャンプー後などに滑りやすいタイル貼りのお風呂は危険。頭でも打ってしまわないかと心配。

 リフォーム会社に相談したところ、連れて行ってもらったのはクリナップのショールームだった。キッチンを造っていたのは知っていたが、お風呂のイメージはなかった。

①『なんですか?この下の吹き出し口は?』
一気に溢れ出る湯気。【床夏シャワー】というものだった。たった1分で浴槽は真っ白になる。担当者いわく、わずか1分で室内温度が15℃上がるという。浴室乾燥機よりも圧倒的に早い。また、1分しかかからないこと、省エネでお得だという。

②『そうこれが欲しかったのです!』
ステンレス製のヘアキャッチャーです。ステンレスでないと、何度洗ってもぬめりが取れないので、先ずはクリア。
母が一番喜んだのは、浴槽のドアだ。ドア周りのパッキンはカビが付きやすく、また、扉の換気口部分の隙間は洗いにくい。しかし、このドアにはパッキンがなく、しかもまるごと外して洗える。知らない間にUBも進化したものだ。

③「流石!!今のお風呂は水捌けも良くて滑りにくい」
「これ標準装備なのですか?」。別で買わなくてはいけないと思っていたのが、握りバーだ。浴槽に入る時と、浴室から出る時は特に力が掛かる。浴槽の淵では滑ってしまう。別で手すりを取り付けなければいけないと考えていたのですが、浴室から立ち座りするための握りバーが標準で付いている。店員さんによると、握るところが“かまぼこ型”になっているので、軽い力で立ち上がることができるそうだ。

母は言う「そんな贅沢なものはいらないよ」
私は言った「お金持って死ねないからね…」

温泉代わりに、楽しみだったお風呂にもう一度ゆっくり浸かってもらいたいと思った。
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