修繕積立金をむさぼる悪人はすぐ身近に
老朽化した分譲マンションが増える中、大規模改修工事の価格が適正かを聞かれることが多くなってきました。
私も多くの大規模改修工事の現場に立ち会ってきましたが、賄賂や出来レースなどが多いのが現実です。例えば大手管理会社は、自社の関係会社に工事をやらせて利益を取りたいという思惑があるため、入札と言いながらも他社の金額を見てから最後に入札します。また、理事長が自分の息のかかった建築会社だけを集めて、出来レースをさせて私腹を肥やしたりするなど、この業界ではよくある話です。
毎年のように管理費積立金が上がっているという現実もあり、まじめに払っている所有者にしたら本当にバカバカしい話ばかりです。そんな悪徳な人達から自分たちの物件を守る方法を説明します。
添付の書類は、大阪市中央区の大規模改修工事の所有者に渡された資料です。これが悪徳かどうかを見分けるポイントをいくつか解説します。
問題①
郵便物には1月25日が投函日であることを示す消印がされていました。所有者のもとに届いたのは1月27日です。大規模改修の業者の応募の締め切り日は2月6日と、2週間の猶予もありません。
解説
これは、落札する会社をあらかじめ決めてから通知を送り、応募期間を短くすることで他社の入札を阻止しようとしています。まともな管理会社であれば、最低でも1ヶ月の猶予は取るはずですから、このようなケースは出来レースの可能性があります。
問題②
注意事項に「施工会社選定期間中は、工事に関する質疑は一切しません」と書かれています。
解説
入札する側にたいした資料がなく、詳細も教えてくれないとなれば、原価が決められないため入札金額を出せません。このような場合は、設計会社が主導して利益を取っていること可能性があります。まともな設計会社であれば、質疑の受付期間を定めて、「質疑結果は入札希望者全員に教えます」としています。
問題③
注意事項に書かれた「応募いただいた全ての会社が見積もりに参加できる訳では御座いません」と「選定結果は公表いたしませんのでご了承ください」
解説
ここまで書く悪徳業者はそうはいません。どのような理由でその会社を選んだのかが分かりませんし、他の業者を見積りに参加させないようにしています。単純にこれを取りまとめる設計会社にメリットがある会社に落札されるという意味です。普通であれば、どこの会社がいくらで入札したのかを所有者に通知し、その上で上位の中から選びます。
問題④
工事概要と応募資格
解説
「仮設工事・躯体補修工事・塗装工事・防水工事・シーリング工事・美装工事というふうに書かれていると、一般の方には大規模工事で誰もができるような工事ではないように見えるかもしれません。しかし、今回の工事は塗装・防水工事ですから、一般的な塗装屋さんでも十分にできる工事です。あえて難しそうに書くことで、区分所有者からの反発を防ごうという意図があります。また、「資本金8000万円以上」の根拠も分かりません。はじめから落札する会社を想定して応募資格を作成したことと推測できます。
さすがにこの内容を理事長が知らないわけはありません。ということはつまり、理事長と設計会社、管理会社が裏で組んで仕組んでいる可能性が高いと考えられます。このような悪徳な人たちからどのようにして自分たちの権利を守るためにはどうすれば良いのか!
①設計会社の選定理由を知る
悪徳な設計会社はすべてを取り仕切りことで利権を手に入れようとします。何故そこの設計会社になったのか、理由や根拠をきちんと追求しましょう
②理事長を定期的に変更する
長い間、理事長が固定されていたり、常連になっている管理組合は注意が必要です。長く理事長をやっていると、修繕積立金が自分のお金だと勘違いするようになってしまうことがあります。
③権限の分散
総会の時に「これくらいの予算で改修工事をします」「業者は入札制にします」などの承認をとりますが、これは一見公平そうに見えて実はそうではありません。どうやってそれを行うのか詳細が明らかではないのです。大規模工事の場合は役員だけでなく、最終結果を踏まえてさらに総会を行う、もしくは役員全ての合意がいるようにするなど、ダブルチェックするようにしましょう。
修繕積立金の悪用なんてそんなにある話ではないと思われた方もいるかもしれません…。しかし、分譲マンション専門の改修業者は理事長に裏金をちらつかせて営業している所も多いので、実際にはあちらこちらでこうした行為が日常的に行われています。
老朽化した分譲マンションが増える中、大規模改修工事の価格が適正かを聞かれることが多くなってきました。
私も多くの大規模改修工事の現場に立ち会ってきましたが、賄賂や出来レースなどが多いのが現実です。例えば大手管理会社は、自社の関係会社に工事をやらせて利益を取りたいという思惑があるため、入札と言いながらも他社の金額を見てから最後に入札します。また、理事長が自分の息のかかった建築会社だけを集めて、出来レースをさせて私腹を肥やしたりするなど、この業界ではよくある話です。
毎年のように管理費積立金が上がっているという現実もあり、まじめに払っている所有者にしたら本当にバカバカしい話ばかりです。そんな悪徳な人達から自分たちの物件を守る方法を説明します。
添付の書類は、大阪市中央区の大規模改修工事の所有者に渡された資料です。これが悪徳かどうかを見分けるポイントをいくつか解説します。
問題①
郵便物には1月25日が投函日であることを示す消印がされていました。所有者のもとに届いたのは1月27日です。大規模改修の業者の応募の締め切り日は2月6日と、2週間の猶予もありません。
解説
これは、落札する会社をあらかじめ決めてから通知を送り、応募期間を短くすることで他社の入札を阻止しようとしています。まともな管理会社であれば、最低でも1ヶ月の猶予は取るはずですから、このようなケースは出来レースの可能性があります。
問題②
注意事項に「施工会社選定期間中は、工事に関する質疑は一切しません」と書かれています。
解説
入札する側にたいした資料がなく、詳細も教えてくれないとなれば、原価が決められないため入札金額を出せません。このような場合は、設計会社が主導して利益を取っていること可能性があります。まともな設計会社であれば、質疑の受付期間を定めて、「質疑結果は入札希望者全員に教えます」としています。
問題③
注意事項に書かれた「応募いただいた全ての会社が見積もりに参加できる訳では御座いません」と「選定結果は公表いたしませんのでご了承ください」
解説
ここまで書く悪徳業者はそうはいません。どのような理由でその会社を選んだのかが分かりませんし、他の業者を見積りに参加させないようにしています。単純にこれを取りまとめる設計会社にメリットがある会社に落札されるという意味です。普通であれば、どこの会社がいくらで入札したのかを所有者に通知し、その上で上位の中から選びます。
問題④
工事概要と応募資格
解説
「仮設工事・躯体補修工事・塗装工事・防水工事・シーリング工事・美装工事というふうに書かれていると、一般の方には大規模工事で誰もができるような工事ではないように見えるかもしれません。しかし、今回の工事は塗装・防水工事ですから、一般的な塗装屋さんでも十分にできる工事です。あえて難しそうに書くことで、区分所有者からの反発を防ごうという意図があります。また、「資本金8000万円以上」の根拠も分かりません。はじめから落札する会社を想定して応募資格を作成したことと推測できます。
さすがにこの内容を理事長が知らないわけはありません。ということはつまり、理事長と設計会社、管理会社が裏で組んで仕組んでいる可能性が高いと考えられます。このような悪徳な人たちからどのようにして自分たちの権利を守るためにはどうすれば良いのか!
①設計会社の選定理由を知る
悪徳な設計会社はすべてを取り仕切りことで利権を手に入れようとします。何故そこの設計会社になったのか、理由や根拠をきちんと追求しましょう
②理事長を定期的に変更する
長い間、理事長が固定されていたり、常連になっている管理組合は注意が必要です。長く理事長をやっていると、修繕積立金が自分のお金だと勘違いするようになってしまうことがあります。
③権限の分散
総会の時に「これくらいの予算で改修工事をします」「業者は入札制にします」などの承認をとりますが、これは一見公平そうに見えて実はそうではありません。どうやってそれを行うのか詳細が明らかではないのです。大規模工事の場合は役員だけでなく、最終結果を踏まえてさらに総会を行う、もしくは役員全ての合意がいるようにするなど、ダブルチェックするようにしましょう。
修繕積立金の悪用なんてそんなにある話ではないと思われた方もいるかもしれません…。しかし、分譲マンション専門の改修業者は理事長に裏金をちらつかせて営業している所も多いので、実際にはあちらこちらでこうした行為が日常的に行われています。