まだまだあるビルの空室活用術 毎月250万円を売り上げるフィットネス|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2017.06.12

まだまだあるビルの空室活用術 毎月250万円を売り上げるフィットネス

まだまだあるビルの空室活用術 毎月250万円を売り上げるフィットネス
ビルの空室対策として何かしらの事業を行う上で重要なのは、その事業にどれだけ世の中のニーズと将来性があるかをきちんと把握することだ。今号では成長を続けるフィットネスビジネスについてまとめた。

多様化進むフィットネス

 フィットネスの市場規模は2015年時点で4390億円。世の中の健康ブームの後押しもあり、ここ数年は右肩上がりで拡大を続けている。
 スポーツクラブと言えばかつては、筋力トレーニングからスイミングまで、何でも揃っている総合施設が主流だった。しかし最近は、施設の小型化と専門化が進み、ビルの一室でできるような小規模タイプの業態も増えている。
フィットネス業界で最も多くの店舗を展開しているのは女性専用フィットネスで有名な「CURVES(カーブス)」で、全国に〇〇〇〇店以上ある。フランチャイズのため、ビルオーナーが加盟し所有物件の空室を利用して事業を始めることができる。
女性専用以外では、パーソナルトレーニングや自転車トレーニング、24時間、ホットヨガスタジオなどが今、注目のフィットネスジムだ。種類は豊富だ。最近では高齢者専用フィットネスというものまで登場している。

会員280名で毎月252万円の売上

 他の事業に比べてフィットネスが空室対策として優れているのは、投資が比較的少額で済むことだ。例えば空きテナントで外食を始める場合、設備や排水工事、内装工事などで最低でも1000万円以上の投資が必要になる。さらに集客を考えると1階の路面店であることが必須条件となる。一方でフィットネスは、機材購入に数百万円の投資が必要になるものの、内装にはほとんどお金をかけなくて済む。ホットヨガなどは設備投資も少額だ。運動後に汗を流すためのシャワー設備は必要だが、多くの利用者は家に帰ってゆっくり入浴して体の疲労を取ることを好むため、これは簡易なもので十分だ。大掛かりな工事を伴わないため原状回復にも手間やコストがかからない。そのため期間限定で空室を活用したいという場合にも適している。また、外食のように路面店である必要もない。
 また、会員制のストックビジネスであることもフィットネスの利点だろう。毎月の収益がある程度計算できるため、次の事業展開も検討しやすい。例えば都内の所有ビルの90坪のスペースを利用してフィットネスジムを経営するあるオーナーは、開業から半年で会員280名を集客。月額9000円のため、毎月252万円の会員費収入を得ている。
商業ビルはもちろん、オフィスビルの空室対策に適した手堅い事業だと言えるだろう。