建物管理の『嘘』を暴け! 消防点検編❷ ~いつまで高い料金払いますか?適正価格とは~|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2017.04.18

建物管理の『嘘』を暴け! 消防点検編❷ ~いつまで高い料金払いますか?適正価格とは~

作業員の日当計算で作業料金が適正かどうかを判断

 前回は建物の消防設備の点検費用についてお話させて頂きました。「消防用設備等点検」「防火対象物点検」は、建物の種類によって消防用設備等点検のみを行えばよい場合と、両方の点検をする場合があり、所有者・防火管理者様、占有者様が実施しなければなりません。

 前回お話した通り、消防設備の点検費用は相見積もりをすれば価格が分かります。しかし、突発的に生じた修理の場合は、それが高いか安いかをどのように調べたらよいのでしょうか。
消火器等の部材であればホームセンターやインターネットなどでも購入できますので、誰でも簡単にその値段を調べることができます。ただ修理費用となると、すぐにというわけにはいきません。適正な価格かどうかを判断にするのには、相見積もりをして頂くことが一番ですが、緊急時にはそんな時間的な余裕はないでしょう。そうした事情を逆手に取り、「配線設備が複雑なのです」「電気の図面が残っていないので」「型が古くて修理できないので、すべて交換しなければなりません」などの理由をつけて、ここぞとばかりに利益を多く乗せた金額を請求しようとする業者は、決して少なくありません。読者の中には、「こんなにも高い金額なのか」と驚かれたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
建物管理の『嘘』を暴け! 消防点検編❷ ~いつまで高い料金払いますか?適正価格とは~
では、見積もりの見方のポイントです。今回、事例として取り上げるのは『調整費用』と『試験費用』ですが、この項目がない業者もあります。これは、この費用を計上してないという場合もありますが、他の項目に利益を乗せていることもありますので、項目がない会社が一概に安いとも言えません。

 では、項目があるときのチェック方法です。『調整費用』や『試験費用』の一般的な価格は、3000~5000円程度です。しかし、中には3万円という業者もあります。正直、これは高過ぎると言わざるを得ません。業務にかかる時間はたかだか30分程度です。資格者が行う作業とはいえ、これで3万円というのが果たして適正な価格なのでしょうか。

 業者が一番聞かれると困るのは、「作業には何名で来られて、何日間かかるのですか?」という質問です。工事代金が40万円に対し、作業日数2日間で作業員2名ということであれば、1名当たりの日当は10万円になります。明らかに高いということが一目で分かると思います。相見積もりするだけの時間的な余裕がなく、言われた金額が適正かどうかの判断に迷ったときには一度、人工計算(1日の人件費)をしてみてはいかがでしょうか。高いか、安いかを判断する材料になるはずです。