自民党ちんたい議連『民泊運営事業者登録制度創設』|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2016.09.29

自民党ちんたい議連『民泊運営事業者登録制度創設』

自民党ちんたい議連『民泊運営事業者登録制度創設』
民泊業界激震

 3月18日、民泊業界に激震が走った。自由民主党賃貸住宅対策議員連盟(石破茂会長、ちんたい議連)が民泊の登録制度を盛り込んだ民泊案を決議、来年度以降の施行を目指すこととなった。
 民泊が急増する中、宿泊を必要とする外国人観光客への対応や、地方の空き家の有効活用などが期待されている半面、既存の民泊管理が適正かが問われているため行われた。
 これによって、民泊業界の勢力図がさらに大きく変わることとなる。
 要点は主に次の4つである。
 ❶旅館業法に縛られない新たな事業登録制度の創設
 ❷事業者は宅建業者もしくは賃貸管理業者とする(不動産管理ノウハウを活用)
 ❸宿泊日数や施設面積の規制(利用日数は1泊以上、施設面積は3.3㎡以上)
 ❹現在違法に運営されている「ヤミ民泊」の取り締まり
 今回までに、不動産業界、ホテル業界、ネット業界…と多数の業界が、入り乱れて民泊市場を分け合ってきたが、今回明確な方針が出たため不動産業界以外の民泊関係者には、方向転換を大きく迫られることになる。
 しかし、民泊の運営を賃貸住宅管理業務に慣れている業者だけに絞ることで、利用者間や近隣との間でよくあるゴミ出し問題や騒音などのトラブル発生を抑えることにもつながるのではないかといった考えや、また、先だって2月に民泊解禁となった大田区の状況も踏まえて盛り込まれた規制もあるようだ。
 さらに、当初より問題視されていた「ヤミ民泊」はすべて規制の対象となる。賃貸借契約に違反して行われているものや、管理ノウハウを有しない個人が運営する物件など、市場に流通している多くの物件に影響がでる見込みだ。
 民泊が進んでいると言われる関西では、現在1万室近い部屋数が民泊といわれている。
 今回の決定につき、民泊を行っている関西の業者に話を聞いてみたところ、『個人も含めて運営者が多くなりすぎたので、多少淘汰されるのは有難い』、『不動産管理のノウハウと民泊は全然違う為、不動産会社が参入してもあまり脅威ではない。不動産会社によっては丸投げして委託先からペーパーマージンを取るだけの会社が増えそうだ』といったような現実的な話もあった。
 今後、この民泊利権を不動産関係以外の業種はどの様に対応していくかで新しい業界地図が出来そうだ。