どうなる大阪経済!プロフェッショナルの目!(全3回)|インタビュー|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2021.07.26

どうなる大阪経済!プロフェッショナルの目!(全3回)

どうなる大阪経済!プロフェッショナルの目!(全3回)
賃貸専業業者の廃業が続出

 連日、新型コロナの感染者数が増え続けている大阪。経済面での影響は大きく、繁華街では今年に入ってから閉店する店舗が後を絶たない。前号に続き、大阪経済について、大阪で不動産事業を行うセンチュリー21・ワールドスタイル(大阪市北区)の柴田裕治社長に話を聞いた。

-前号では、大阪の街の現状についてお話を伺いました。今回は、御社を含めた新型コロナウイルスに対する対策についてお話を伺いたいと思います。現在、どのような対策を講じてお仕事をされているのでしょうか。

柴田 賃貸にしろ売買しろ、なるべく直接お客様と接しないような形で対応するようにしています。例えば物件案内については、平時であれば我々の店舗までお越しいただいて上で、車などで現地にご案内していましたが、今は基本的に現地で集合するようにしています。

-コロナ以前から、賃貸ではオンラインを利用したIT重説による契約手続きが普及しています。御社でも取り組まれているのでしょうか。

柴田 もちろんです。案内業務のすべてをネットだけで完結させることはなかなか難しいですが、今は遠隔地の方に限らず、できる限りIT重説などを駆使してご案内するようにしています。

-実際、コロナになって以降、オンライン仲介の要望は増えたと感じますか。

柴田 間違いなく増えています。お客様からしても、スタッフと対面で接することなく契約できるサービスはとても安心ですから、当然です。逆に未だにオンライン仲介の仕組みを採り入れていない業者は、顧客を取り逃がしてしまうのではないかと思います。

-売買の方についてはいかがでしょうか。

柴田 IT重説はこれまで、賃貸でしか認められていませんでしたが、売買についても今年の4月からできることになりました。当社としての実績はまだありませんが、コロナの状況いかんでは、もしかしたらこれから増えていくかもしれません。ただ、売買は賃貸よりも動く金額が大きく、すべてをネットだけで完結させるのは難しいと思っています。今後、どこまで普及するか分かりません。


-周辺業者の動きはどうでしょうか。

柴田 去年と比べれば、営業している店舗は確実に多いです。ただし、集客面に関してはどこも苦戦している印象です。実際、最近は閉店する業者も出始めています。

-御社は賃貸仲介だけでなく管理、収益不動産の売買、不動産賃貸業など、多角的に不動産業を手掛けています。コロナ禍でそれが強みとして発揮されている印象です。

柴田 おっしゃる通り、そういった意味ではうまくリスク分散ができていると思います。事業ごとにきちんと収益を上げられる仕組みができているので、不調な事業があっても、他の事業でうまくカバーすることができます。今の時代、一つのことに特化するのは危険ですし、いざというときにしんどいと思います。先程、閉店する店が出始めているという話をしましたが、賃貸仲介あついは売買仲介を専業にしていたところがほとんどです。

-今の時点で、コロナ収束後に向けた種まきをしておくことも大切だと思います。

柴田 もちろんです。当社の場合、市場調査はずっと継続して行っていますし、既存の顧客とも、絶えず連絡を取るようにしています。

-コロナはいつまで続くと見ていますか。

柴田 すべてはワクチン次第だと思います。すべての方が接種し終わるのは、早くても年内いっぱいはかかるのではないでしょうか。

-不動産が動き始めるタイミングについてはどのように考えていますか。

柴田 昨年は、緊急事態宣言が解除された直後に動きが活発になりました。今年も同じようになるのではないかと予測しています。となると、オリンピック開催直前が、一つの目処になるでしょうね。ただ、オリンピック後に再び変異株などが中興するような事態になれば、また動きは止まるでしょうね。

-今回もありがとうございます。次回は大阪における今後の不動産投資についてお話を伺いたいと思います。