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2022.07.18

補助金を利用した子育てリフォームで空室対策

補助金を利用した子育てリフォームで空室対策
多目的室や遊び場の設置で最大500万円を支給

「周囲に次々に新しい物件が建てられているせいで、ここ数年、新規募集が苦戦気味だ。今はまだ少し家賃を下げるだけで何とかなっているが、このままだと借入金の返済にも影響が出るかもしれない。何とか家賃を下げずに入居率を維持する方法はないものだろうか・・・」

 競争が激化の一途を辿っている賃貸市場では、こうした悩みを抱えているオーナーが数多く存在します。最新のトレンドを採り入れたリフォームや最新設備を導入することによってふたたび物件の魅力を高めることもできますが、もちろんタダではありません。かといって、出費を惜しんでいては空室対策はできません。
 そんなみなさんのために今回は、補助金を利用した賃貸住宅リフォームをご紹介します。

 6月1日に国土交通省は、令和4年度の「子育て支援型共同住宅推進事業」の募集を開始しました。この制度自体はすでに何年かの実績があるためご存知の方も多いと思いますが、実際に利用したことがあるという方はあまりいないのではないでしょうか?まずは制度の中身について見ていきたいと思います。
 同事業は、事故や防犯対策が行き届いた、子育てに適した賃貸住宅及び分譲マンションを普及させることを目的に作られた制度です。新築はもちろん、リフォームも対象になります。つまり、うまくこの制度を利用すれば、通常よりも費用を抑えてアパート・マンションの空室対策ができるわけです。
 実際にどのくらいの補助があるのかというと、例えば「子どもの安全確保に資する設備」を設置した場合、リフォームでは上限を300万円に、かかった費用の3分の1が補助されます。仮に工事に300万円かかったのであれば、100万円の補助金が受け取れます。念のため付け加えておくと、「子どもの安全を資する設備」とは、例えば子どもが勝手にお湯を張った浴槽に入っておぼれたりするのを防ぐ「浴室扉の外鍵」や、窓からの転落を防止する補助場やストッパーなどを指します。排水溝や浄化槽など、子どもが転落したりおぼれたりする可能性がある場所への防護フェンスの設置などもこれに含まれます。いずれも、もともと子育てを想定して作られたマンションには当たり前のようにあるものばかりですが、そうでない物件にはないことが多いです。後から付けるとなると、まとまった数が必要なためそれなりに費用がかかります。実際にやらなければならない事項は、国土交通省のホームページを参照にして下さい。
 また、以上の加えて「入居者の交流を促す施設」を設置した場合も補助金がおります。この場合は、補助割合はかかった費用の3分の1までと変わりませんが、上限が500万円まで上がります。上限が上がるということはそれだけ費用がかかるということですが、例えばキッズルームや集会室といった多目的室や入居者専用の遊び場(砂場や水遊び場など)、家庭菜園などが対象になります。遊び場について、賃貸住宅の場合、そもそもそうした場を設けるための共有スペースがないことが多いため、作ることができないケースの方が多いと思いますが、多目的室ならば空いている部屋を利用して作れば、それほど難しいことではありません。実際にやらなければならない取り組みについては、国土交通省のホームページを参照にして下さい。
 同制度の申請期間は6月1日~来年の2月28日までとなります。交付が決定するまで、工事に着手していないことが前提条件となります。もし申請前、もしくは交付決定前に工事に着手していると、補助を受けることはできませんのでご注意ください。詳しい申請手続きについては、国土交通省のホームページご確認下さい。
 子育てに適した賃貸住宅は稀少性が高く、家賃が高くてもすぐに入居が決まると言われています。空室対策の一手としてみなさんも検討してみてはいかがでしょうか?普通のリフォームと比べてお金はかかるかもしれませんが、補助金を利用すれば、より早く、リフォームにかかった費用を回収することができます。ご相談はお近くの全国優良リフォーム会員まで。