ルールの説明は入居契約前に行うことが必須!
アパート・マンション経営には常にさまざまなトラブルがつきまといます。中でも特に厄介だとされるのは、ルール違反や騒音といった他の入居者にまで迷惑をかける行為です。こうしたトラブルは入居率の低下にも直結しかねないだけに、速やかな対応が求められます。決して「うちは大丈夫」と高をくくらないようにしましょう。今回はゴミ出しトラブルを取材しました。
「うちのマンションでは衛生面や部外者によるゴミ荒らしを防ぐために、ゴミを出す日、時間帯について厳格なルールを定めています。しかし、ある入居者だけが守ってくれなくて、ご近所とトラブルになりました」
こう話すのは東京都台東区でマンション経営を行っている大橋義男オーナー(仮名)です。問題の入居者A氏が大橋さんのマンションに入居したのは2016年の3月頃のこと。当時30歳で、IT関係の企業に勤めていました。
「うちは入居者の際に、必ず一度私が面談を行います。非常にしっかりしていて知的な印象を受けました」
収入面もしっかりしていたことから滞納の心配もないと、大橋さんはすっかり安心してA氏と入居契約を結んだそうです。
しかし、それからひと月ほどしたある日、A氏さんと同じフロアに住む別の入居者からある連絡が入りました。
「A氏が夜中にゴミを出しているのを見たというのです。まさかと思って防犯カメラの映像を確認したところ、確かにA氏がゴミを持ってゴミ捨て場に向かう様子がはっきり写っていました」
大橋さんは、A氏が入居の際に説明したゴミ収集のルールを忘れてしまっているのだろうと思い、改めて説明するために部屋を訪ねました。ところが、あいにくA氏はもう出勤してしまった後だったようで、仕方なくゴミ出しのルールについてまとめた紙をポストに入れておきました。
しかし、それから数日後、またA氏がゴミ出しのルールを破っているという連絡が、今度は別の入居者から入りました。今度は直接いうべきだと考えた大橋さんは、会社が休みであろう日曜の午前中にA氏の部屋を訪ねました。予想通りA氏は在宅で、眠そうな目をこすりながら大橋さんに応対しました。
大橋オーナー「A氏さん、先日もゴミ出しのルールについてまとめた紙をポストに入れておきました。ちゃんと帆確認頂けたでしょうか?うちのマンションはごみ収集日当日の朝、具体的には6時から9時以外はゴミを出してはいけない規則になっています。きちんと守って下さい」
A氏「私の仕事は昼出勤が多く、24時前後に帰ってくることがほとんどです。そのため朝はいつも遅くまで寝ているため、9時までにゴミを出すことができません」
大橋オーナー「とはいえルールはルールですし、他の方はみなさん守って頂いています。Aさんもご協力ください」
A氏「ルールとおっしゃいますけど、私がそのことを聞いたのは入居契約が住んで、引っ越ししてきた当日ですよ。契約前に言っておいてくれれば入居しませんでした。なんで後で言われたことに従わないといけないんですか?生活パターン的に無理です」
最後にはA氏は怒り心頭の様子で、
「もういいですか!たまの休みで寝たいのでこれで失礼します」
と言って、話を中断して扉を閉めてしまいました。大橋さんは仕方なく、いったんその場は引き下がりました。
結局、その後もA氏は深夜にゴミ出しを続けました。他の入居者からは「何でA氏だけ特別扱いなんだ」とクレームも出始めたため、大橋さんは管理会社に相談しました。
「A氏が言うように、契約する段階できちんとルールを説明していなかったのはまずかったですね。現状、A氏も全然見当違いの日にゴミを出しているわけではなく、当日の明け方前に出しているので、この際少しルールを緩和されたらいかがですか?」
後日、大橋さんは管理会社のアドバイスに従い、ゴミ出しの時間を「ゴミ収集日当日の6時~9時」から「ゴミ収集日当日の0時~9時」に改めました。
「念のため、夜中に出されたゴミを部外者が荒らさないように、鍵を取り付け、入居者だけが開錠できるようにしました。あれからだいぶ時間が経ちましたが、トラブルは一切ありません。今考えてみれば、少々厳格過ぎたのかもしれません」
ゴミの出し方が原因のトラブルは、予想以上に多いようです。入居者とのトラブルはアパート・マンソンの価値にも大きな影響を与える可能性があるだけに、何かあった場合は、すぐに管理会社などの専門家に相談し、問題を解決しましょう。賃貸経営に関するご相談は、お近くの全国優良リフォーム会員まで。
アパート・マンション経営には常にさまざまなトラブルがつきまといます。中でも特に厄介だとされるのは、ルール違反や騒音といった他の入居者にまで迷惑をかける行為です。こうしたトラブルは入居率の低下にも直結しかねないだけに、速やかな対応が求められます。決して「うちは大丈夫」と高をくくらないようにしましょう。今回はゴミ出しトラブルを取材しました。
「うちのマンションでは衛生面や部外者によるゴミ荒らしを防ぐために、ゴミを出す日、時間帯について厳格なルールを定めています。しかし、ある入居者だけが守ってくれなくて、ご近所とトラブルになりました」
こう話すのは東京都台東区でマンション経営を行っている大橋義男オーナー(仮名)です。問題の入居者A氏が大橋さんのマンションに入居したのは2016年の3月頃のこと。当時30歳で、IT関係の企業に勤めていました。
「うちは入居者の際に、必ず一度私が面談を行います。非常にしっかりしていて知的な印象を受けました」
収入面もしっかりしていたことから滞納の心配もないと、大橋さんはすっかり安心してA氏と入居契約を結んだそうです。
しかし、それからひと月ほどしたある日、A氏さんと同じフロアに住む別の入居者からある連絡が入りました。
「A氏が夜中にゴミを出しているのを見たというのです。まさかと思って防犯カメラの映像を確認したところ、確かにA氏がゴミを持ってゴミ捨て場に向かう様子がはっきり写っていました」
大橋さんは、A氏が入居の際に説明したゴミ収集のルールを忘れてしまっているのだろうと思い、改めて説明するために部屋を訪ねました。ところが、あいにくA氏はもう出勤してしまった後だったようで、仕方なくゴミ出しのルールについてまとめた紙をポストに入れておきました。
しかし、それから数日後、またA氏がゴミ出しのルールを破っているという連絡が、今度は別の入居者から入りました。今度は直接いうべきだと考えた大橋さんは、会社が休みであろう日曜の午前中にA氏の部屋を訪ねました。予想通りA氏は在宅で、眠そうな目をこすりながら大橋さんに応対しました。
大橋オーナー「A氏さん、先日もゴミ出しのルールについてまとめた紙をポストに入れておきました。ちゃんと帆確認頂けたでしょうか?うちのマンションはごみ収集日当日の朝、具体的には6時から9時以外はゴミを出してはいけない規則になっています。きちんと守って下さい」
A氏「私の仕事は昼出勤が多く、24時前後に帰ってくることがほとんどです。そのため朝はいつも遅くまで寝ているため、9時までにゴミを出すことができません」
大橋オーナー「とはいえルールはルールですし、他の方はみなさん守って頂いています。Aさんもご協力ください」
A氏「ルールとおっしゃいますけど、私がそのことを聞いたのは入居契約が住んで、引っ越ししてきた当日ですよ。契約前に言っておいてくれれば入居しませんでした。なんで後で言われたことに従わないといけないんですか?生活パターン的に無理です」
最後にはA氏は怒り心頭の様子で、
「もういいですか!たまの休みで寝たいのでこれで失礼します」
と言って、話を中断して扉を閉めてしまいました。大橋さんは仕方なく、いったんその場は引き下がりました。
結局、その後もA氏は深夜にゴミ出しを続けました。他の入居者からは「何でA氏だけ特別扱いなんだ」とクレームも出始めたため、大橋さんは管理会社に相談しました。
「A氏が言うように、契約する段階できちんとルールを説明していなかったのはまずかったですね。現状、A氏も全然見当違いの日にゴミを出しているわけではなく、当日の明け方前に出しているので、この際少しルールを緩和されたらいかがですか?」
後日、大橋さんは管理会社のアドバイスに従い、ゴミ出しの時間を「ゴミ収集日当日の6時~9時」から「ゴミ収集日当日の0時~9時」に改めました。
「念のため、夜中に出されたゴミを部外者が荒らさないように、鍵を取り付け、入居者だけが開錠できるようにしました。あれからだいぶ時間が経ちましたが、トラブルは一切ありません。今考えてみれば、少々厳格過ぎたのかもしれません」
ゴミの出し方が原因のトラブルは、予想以上に多いようです。入居者とのトラブルはアパート・マンソンの価値にも大きな影響を与える可能性があるだけに、何かあった場合は、すぐに管理会社などの専門家に相談し、問題を解決しましょう。賃貸経営に関するご相談は、お近くの全国優良リフォーム会員まで。