立場を利用して下請会社の女性社員にわいせつ行為
地面師詐欺グループに55億5000万円を騙し取られたり、元社員が工事代金名目でアパートオーナーから不正に金銭を取得したりなど、このところ不祥事が続いている積水ハウスグループ(大阪市北区)で、また大きな問題が発覚した。今度は現役社員による強制わいせつだ。
事件が起きたのは積水ハウスの岡山支店だ。昨年10月21日、社員2人が飲食をともにしていた同社の下請企業に勤める女性に対し、上着とシャツを着たままブラジャーを取ることを要求した上、胸などを触るなどのわいせつ行為を行ったというのだ。女性は後日、岡山中央署に被害届を提出。警察の取り調べに対し、両容疑者が容疑の一部を認めたため、11月8日、強制わいせつの疑いで逮捕された。
今回の事件は、“仕事を与える側”という立場を利用している点で非常に悪質だ。下請の立場にある女性からすれば「要求を拒否すれば仕事が減らされるかもしれない。そうなっては会社に迷惑が掛かってしまう」と考え、指示に従わざるをえなかったことは容易に想像できる。報道によると、両容疑者はかなり慣れた様子で一連の行為に及んでいたようで、日常的にやっていた可能性まで指摘されている。
容疑者の一人は7年前に大阪から岡山市内に引っ越し。自社で建てた一戸建て住宅に、妻と3人の子どもと暮らしているという。もともと近所の評判は上々で「家事を手伝う良い旦那さん」という印象が強かったようだが、数年前から真夜中に酔っ払って帰ってきては大声で叫んだりすることが増えたという。何か事情があるのかもしれないが、だからといって会社の立場の利用したわいせつ行為は、絶対に許されることではない。
実は、積水ハウスの社員(逮捕時には退職)がわいせつ行為を行い、後に逮捕されたのは今回が初めてではない。2019年5月にも、28歳の元社員が、同年1月に東京都世田谷区にあるカラオケ店のトイレで女性に抱きつき、個室に連れ込んで体に触るなどのわいせつ行為を行った容疑で、警視庁成城署に逮捕されている。女性は元社員と面識はなく、たまたま同店に居合わせて被害に遭った。この事件は、会社の立場を利用したわけではないため、今回の岡山のケースとは本質の部分は異なる。だが、「社員のモラルが欠如している」という点は一致している。3人の容疑者は揃いも揃って、「積水ハウス」という住宅業界を代表する大会社の看板を背負っているという認識がまったくなかったのだろう。
立て続けにわいせつ行為によって逮捕者を出してしまった積水ハウスの責任も重い。そもそも、先の事件を受けて社員に対する指導・教育が徹底できていなかったから、何度も同じような事件が起こるのだ。この点、同社は大いに反省する必要がある。グループ全体で何万人もの社員がいるため、全員を指導・教育するのは簡単なことではないだろうが、そんなことは言い訳にならない。できないのであれば、そんなに人を雇わなければいいだけの話だ。雇っている以上は、社員が何かを問題を起こせば、それは個人だけでなく、しっかり指導・教育ができなかった会社の責任でもある。
事件が立て続けに行ったことで、同社に対して不信感を抱く消費者は確実に増えたはずだ。
「この会社に家を頼んでも大丈夫なのだろうか?」
「打ち合わせと称して呼び出されてわいせつ行為をされたらどうしよう・・・」
そんなイメージが広がれば、業績にも悪影響が出かねない。日本を代表する住宅メーカーとして、気を引き締めてもらいたいものだ。
地面師詐欺グループに55億5000万円を騙し取られたり、元社員が工事代金名目でアパートオーナーから不正に金銭を取得したりなど、このところ不祥事が続いている積水ハウスグループ(大阪市北区)で、また大きな問題が発覚した。今度は現役社員による強制わいせつだ。
事件が起きたのは積水ハウスの岡山支店だ。昨年10月21日、社員2人が飲食をともにしていた同社の下請企業に勤める女性に対し、上着とシャツを着たままブラジャーを取ることを要求した上、胸などを触るなどのわいせつ行為を行ったというのだ。女性は後日、岡山中央署に被害届を提出。警察の取り調べに対し、両容疑者が容疑の一部を認めたため、11月8日、強制わいせつの疑いで逮捕された。
今回の事件は、“仕事を与える側”という立場を利用している点で非常に悪質だ。下請の立場にある女性からすれば「要求を拒否すれば仕事が減らされるかもしれない。そうなっては会社に迷惑が掛かってしまう」と考え、指示に従わざるをえなかったことは容易に想像できる。報道によると、両容疑者はかなり慣れた様子で一連の行為に及んでいたようで、日常的にやっていた可能性まで指摘されている。
容疑者の一人は7年前に大阪から岡山市内に引っ越し。自社で建てた一戸建て住宅に、妻と3人の子どもと暮らしているという。もともと近所の評判は上々で「家事を手伝う良い旦那さん」という印象が強かったようだが、数年前から真夜中に酔っ払って帰ってきては大声で叫んだりすることが増えたという。何か事情があるのかもしれないが、だからといって会社の立場の利用したわいせつ行為は、絶対に許されることではない。
実は、積水ハウスの社員(逮捕時には退職)がわいせつ行為を行い、後に逮捕されたのは今回が初めてではない。2019年5月にも、28歳の元社員が、同年1月に東京都世田谷区にあるカラオケ店のトイレで女性に抱きつき、個室に連れ込んで体に触るなどのわいせつ行為を行った容疑で、警視庁成城署に逮捕されている。女性は元社員と面識はなく、たまたま同店に居合わせて被害に遭った。この事件は、会社の立場を利用したわけではないため、今回の岡山のケースとは本質の部分は異なる。だが、「社員のモラルが欠如している」という点は一致している。3人の容疑者は揃いも揃って、「積水ハウス」という住宅業界を代表する大会社の看板を背負っているという認識がまったくなかったのだろう。
立て続けにわいせつ行為によって逮捕者を出してしまった積水ハウスの責任も重い。そもそも、先の事件を受けて社員に対する指導・教育が徹底できていなかったから、何度も同じような事件が起こるのだ。この点、同社は大いに反省する必要がある。グループ全体で何万人もの社員がいるため、全員を指導・教育するのは簡単なことではないだろうが、そんなことは言い訳にならない。できないのであれば、そんなに人を雇わなければいいだけの話だ。雇っている以上は、社員が何かを問題を起こせば、それは個人だけでなく、しっかり指導・教育ができなかった会社の責任でもある。
事件が立て続けに行ったことで、同社に対して不信感を抱く消費者は確実に増えたはずだ。
「この会社に家を頼んでも大丈夫なのだろうか?」
「打ち合わせと称して呼び出されてわいせつ行為をされたらどうしよう・・・」
そんなイメージが広がれば、業績にも悪影響が出かねない。日本を代表する住宅メーカーとして、気を引き締めてもらいたいものだ。