レオパレス21 第1四半期決算も大方の予想通り赤字|企業|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2021.09.06

レオパレス21 第1四半期決算も大方の予想通り赤字

レオパレス21 第1四半期決算も大方の予想通り赤字
信用を回復することはほとんど不可能か?
 
 経営不振が続いているレオパレス21(東京都中野区)の再建の可能性について、不動産業界内ではあいかわらず否定的な意見が多い。
 8月10日、同社は2022年3月期第1四半期決算を発表した。売上高は前期から3.6%減収し1002億円4400万円。本業の儲けを示す営業利益は12億8700万円の赤字だった。大方の予想通り、結果は今回も散々なものだった。
 周知のとおり、同社は2018年に建築したアパートの施工不良が発覚して以降、極度の経営不振に陥っている。収益の要であるアパートの入居率は、採算ラインと言われる80%を割り込んだまま、今なお改善の兆しが見られない。原因は、全国に20万戸あると言われる施工不良物件の改修工事が遅々として進んでいないためだ。今年6月時点で改修工事が完了した物件はわずか4万戸で、もともと2020年末までに全棟の改修工事を終えるとしていた計画は2024年末まで先送りされた。
 こんな状況であるにもかかわらず、同社は今期の業績について、3年ぶりの連結営業黒字への転換を見込む。同社の姿勢に対し、専門家の多くが疑問を投げかける。あるアナリストは

「収益源のアパートの改修工事が進んでいないのに、どうやって利益を上げるというのか?全棟とはいかないまでも、7、8割の改修工事が終わらない限り、黒字化を達成できるとは到底思えない」

と指摘する。ある不動産の専門家は、

「例え改修工事が終わっても、レオパレスのアパートに対する信用は当面、回復することはないだろう。そもそも、市場には他にもたくさん物件があるのに、わざわざレオパレスで借りるメリットがない。よほど安ければ話は別だが、家賃保証している以上、極端に安くしてしまっては逆ザヤになる可能性がある。結局、もうどうにもならない状況まできているのではないか」

と、厳しい。いずれにせよ、「今期黒字化」には、あまりにも根拠が乏しいと言わざるを得ない。
 もちろん、経営陣は状況の厳しさについては重々承知しているはずだ。それにもかかわらず、強気の姿勢を崩せないのは、6月に東京証券取引所から、上場廃止にかかる猶予期間入り銘柄になったと通告を受けたためだと推測される。2023年3月期までに債務超過を解消できない場合、レオパレス21は東証1部への上場が廃止になる。そうなれば倒産の可能性は一段と高くなる。
 果たしてレオパレス21はどうなってしまうのか?昨年末にはソフトバンクグループが同社の支援に乗り出したというニュースが話題になったが、今のところ、それによる状況改善の兆しはまったく見えない。実際、今年に入ってから同社に関して明るいニュースは何一つない。このままだとSBGは拠出した572億円を、むざむざドブに捨てることになるかもしれない。今後の動向にも注目したい。