最近、知人から「住宅の施工不良」に関する相談を立て続けに受けた。新築・中古を問わず、何かしらの欠陥を抱えた住宅は世の中に多く存在する。施工後に起こった事故や災害が原因ならば致し方ないが、実際には手抜き工事などが原因のものも多い。
先日、レオパレス21が建築したアパートで施工不良が見つかって大きなニュースになった。全棟調査の結果はまだ発表されていないが、途中経過を見る限り、建築基準法違反の疑いがある物件はかなりの数あると見られる。原因について同社は「設計上のミス」と説明しているが、専門家の中には「音漏れは以前から指摘されていた。それにもかかわらず原因を球目してこなかったことを考えると、手抜き施工である可能性が高い」とする意見も多い。おそらく多くの人は、「うちには関係のないこと」としてこのニュースを聞き流していただろうが、果たして本当にそうだろうか。
実は、建物の施工不良を巡るトラブルは年々増加傾向にある。(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターによると、2016年には、新築関連で約1万9800件、リフォーム関連で約1万400件もの相談が寄せられた。特に施工を巡って業者トラブルになるケースが頻発しているそうだ。ある建築士は「不備が発覚したものだけでもこれだけの数があるのだから、潜在的には倍かそれ以上の数の欠陥住宅があるはずだ。価格高騰や人手不足で、施工に手を抜く業者は増えている」と話す。
それでは自宅に不備があるかどうかを見極めるにはどうしたら良いのか。素人でも最低限、確認するべきチェックポイントがある。
①雨漏り
実際に住んでからでないと分からないが、早ければ数カ月で症状が現れる。天井や壁、あるいは屋根裏にシミができてきたら、雨漏りの可能性が高い。押し入れやクローゼットのチェックも不可欠。放置しておくとカビが発生する原因となったり、ひどい場合、躯体を腐らせることもあるので素早い対処が必要。
②床の不具合
ビー玉などを転がしてみることで判別することができる。球が転がるようなら、構造自体にゆがみが生じている可能性があるため非常に危険。地震などで家具が倒れる可能性もある。また隅々まで歩いて見て、浮き沈みや軋み音がないかもチェック。
③窓や扉の開閉不良
必ず開閉状態を確認。少しでも引っ掛かるようだと、建付けが悪いか、建物自体に歪みが生じている可能性がある。無理な圧力がかかっているようだと、いずれ完全に開かなくなってしまう可能性もある。
④内壁や外壁のひび割れ
基礎や床下、天井裏など、自分の目で見える部分についてはすべて目視で確認する。ヒビは放置しておくと徐々にと亀裂が大きくなったり、あるいは雨水が侵入し、躯体の強度を弱める可能性がある。
とにかく、まずは隅々まできちんと目で確認することが大切だ。しかし、素人では判断できないことも多いため、最終的には建築士などの専門家に頼むか、知人で建築関連の方がいれば相談してみることをおすすめする。
仮に欠陥が見つかった場合はどうすれば良いか。新築については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、引き渡しから10年間は、売り主業者やメーカーが瑕疵担保責任を負うことになっている。不具合のある箇所は、基本的には業者が責任をもって修繕してくれるはずだ。しかし、中には話し合いに応じてくれなかったり、資金不足で補修ができないというケースがある。そうした場合は、国民生活相談センターや弁護士などに相談し、妥協点を見つけていくことにある。
一方で中古住宅は、個人が売り主の場合は瑕疵担保責任が1~3ヶ月程度と短い。不具合を発見するタイミング次第では、責任を問えないケースもある。それだけに、事前もしくは買ってすぐのチェックが重要になってくる。リフォームについても、引き渡しの前に、業者を立ち合わせたうえで隅々まで確認することが大切だ。
いずれにせよ、万全を期すのであれば専門家に調査依頼するのがベストだ。10万円前後の費用は掛かるものの、不具合が見つかった場合のリスクを考えれば、決して高い出費ではないはずだ。気になる方は一度、お近くの全国優良リフォーム会員に相談してみてはいかがだろうか。
実は、建物の施工不良を巡るトラブルは年々増加傾向にある。(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターによると、2016年には、新築関連で約1万9800件、リフォーム関連で約1万400件もの相談が寄せられた。特に施工を巡って業者トラブルになるケースが頻発しているそうだ。ある建築士は「不備が発覚したものだけでもこれだけの数があるのだから、潜在的には倍かそれ以上の数の欠陥住宅があるはずだ。価格高騰や人手不足で、施工に手を抜く業者は増えている」と話す。
それでは自宅に不備があるかどうかを見極めるにはどうしたら良いのか。素人でも最低限、確認するべきチェックポイントがある。
①雨漏り
実際に住んでからでないと分からないが、早ければ数カ月で症状が現れる。天井や壁、あるいは屋根裏にシミができてきたら、雨漏りの可能性が高い。押し入れやクローゼットのチェックも不可欠。放置しておくとカビが発生する原因となったり、ひどい場合、躯体を腐らせることもあるので素早い対処が必要。
②床の不具合
ビー玉などを転がしてみることで判別することができる。球が転がるようなら、構造自体にゆがみが生じている可能性があるため非常に危険。地震などで家具が倒れる可能性もある。また隅々まで歩いて見て、浮き沈みや軋み音がないかもチェック。
③窓や扉の開閉不良
必ず開閉状態を確認。少しでも引っ掛かるようだと、建付けが悪いか、建物自体に歪みが生じている可能性がある。無理な圧力がかかっているようだと、いずれ完全に開かなくなってしまう可能性もある。
④内壁や外壁のひび割れ
基礎や床下、天井裏など、自分の目で見える部分についてはすべて目視で確認する。ヒビは放置しておくと徐々にと亀裂が大きくなったり、あるいは雨水が侵入し、躯体の強度を弱める可能性がある。
とにかく、まずは隅々まできちんと目で確認することが大切だ。しかし、素人では判断できないことも多いため、最終的には建築士などの専門家に頼むか、知人で建築関連の方がいれば相談してみることをおすすめする。
仮に欠陥が見つかった場合はどうすれば良いか。新築については、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって、引き渡しから10年間は、売り主業者やメーカーが瑕疵担保責任を負うことになっている。不具合のある箇所は、基本的には業者が責任をもって修繕してくれるはずだ。しかし、中には話し合いに応じてくれなかったり、資金不足で補修ができないというケースがある。そうした場合は、国民生活相談センターや弁護士などに相談し、妥協点を見つけていくことにある。
一方で中古住宅は、個人が売り主の場合は瑕疵担保責任が1~3ヶ月程度と短い。不具合を発見するタイミング次第では、責任を問えないケースもある。それだけに、事前もしくは買ってすぐのチェックが重要になってくる。リフォームについても、引き渡しの前に、業者を立ち合わせたうえで隅々まで確認することが大切だ。
いずれにせよ、万全を期すのであれば専門家に調査依頼するのがベストだ。10万円前後の費用は掛かるものの、不具合が見つかった場合のリスクを考えれば、決して高い出費ではないはずだ。気になる方は一度、お近くの全国優良リフォーム会員に相談してみてはいかがだろうか。