リフォーム取引販売士に聞きました~ひとり暮らしに高齢者を狙ったぼったくり業者|住まい|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2024.10.21

リフォーム取引販売士に聞きました~ひとり暮らしに高齢者を狙ったぼったくり業者

リフォーム取引販売士に聞きました~ひとり暮らしに高齢者を狙ったぼったくり業者
詳細不明のいい加減な見積書に騙されるな!

 一人暮らしの高齢者や老夫婦を狙った悪質なリフォーム詐欺が横行しています。もしかしたらみなさんのお宅も狙われているかもしれません。詐欺被害に遭わないためには、その手口を知っておくことが大切です。高額な代金を請求された事案を取材しました。

 リフォーム詐欺にはさまざまな手口があります。今回は外壁塗装にまつわる詐欺被害を取り上げます。
 千葉県船橋市に在住の中島明子さん(72・仮名)さんは、2018年にリフォーム詐欺の被害に遭いました。ご自宅は軽量鉄骨の一戸建てで、当時で築35年。外壁はサイディングでした。
詐欺被害は、仕事の関係で東北に住む息子さんが出張で東京に来た際に、久しぶりに明子さんのところに顔を出したことがきっかけで発覚したそうです。

「1年ぶりに実家に帰って驚きました。外壁がキレイに塗り替えられていたのです。最初は家を間違えたのかと思ったくらいです」
 すぐに事情を確認したところ、3ヶ月ほど前にA社の営業マンと名乗る男性がやってきて、明子さんに次のように告げたそうです。

「近くに用事があってたまたま通りかかったのですが、壁の塗装がだいぶ古くなっていますね。塗装は日差しや雨風から外壁を守る役割があります。ところが今の状態だとそれができません。このまま放置していたら外壁はどんどん劣化していきますよ。すぐに塗り替えた方が良いと思います。今ならキャンペーン期間で通常よりもかなり安く工事ができるのでいかがでしょうか?」

 最初は断ろうと思った明子さんですが、熱心に営業されたうえ、営業マンが割と親切だったため、最後はすっかり信用して契約してしまったそうです。
 息子さんはいくらかかったのか確認するため、見積書を見せてもらいました。ところが明子さんが出してきた見積書は、とても大雑把で、お世辞にもまともな会社が作成したものとは思えないようなものでした。
 通常、見積書には工事内容や材料ごとに「数量」や「単価」「金額」を記載します。しかし、A社の見積書にはそうした細かい内訳は一切書かれておらず、 “塗装工事一式200万円”と書かれていただけでした。どこのメーカーの何という塗料を使うのかがまったくわからない状態だったのです。これでは金額が高いのか、安いのかも判断することもできません。
 息子さんは詳細を聞くために、すぐにA社に連絡しました。ところが、見積書に書かれた電話番号はすでに使われておらず、明子さんが受け取っていた担当者の名刺に書かれていた携帯電話の番号も繋がりませんでした。不安になった息子さんは、同市内でリフォーム会社を経営する知り合いのBさんに連絡し、事情を説明。たまたま近い場所で工事に入っていたため、休憩時間を利用して見に来てくれることになりました。
1時間ほどしてやってきたBさんは、すぐに塗装された外壁をチェック。15分ほどかけて点検した後、2人に次のように伝えました。

「外壁の専門業者ではないのではっきりしたことは言えませんが、経験上、200万円というのはかなり高いと思います。普通は2度塗りするものですが、おそらく1度しか塗っていないと思います。家の大きさからして100万円くらいが妥当な金額じゃないでしょうか。はっきり言って、かなりいい加減なぼったくり業者ですね」

 あまりのことに明子さんはショックを核しれませんでした。しかし、工事をやった事実がある以上、法外な価格ではあるものの、詐欺とは言い切れません。A社と連絡がとれたとしても、支払った代金が返ってくる可能性はまずありません。Bさんは明子さんに対し、
次のようにアドバイスしました。

「悪徳業者は気の弱そうな一人暮らしの高齢者を探しています。一見、人が良さそうに見える人ほど危険だと思ってください。何事もまず、一人で決断せずに、息子さんに相談してください。

 ご両親が高齢でかつ一人暮らしをしている、遠方に住んでいてすぐに会いに行くことができないという方は、普段から注意を喚起しておくことを進めします。リフォームに関するトラブルお困りの方は、お近くのリフォーム取引販売士に相談してみてはいかがでしょうか?