真夏の害虫対策~シロアリ編~|住まい|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2020.07.27

真夏の害虫対策~シロアリ編~

真夏の害虫対策~シロアリ編~
台風シーズン到来!湿度の高い時期はシロアリ大量発生にご用心!

 家の柱や壁をボロボロにする白アリは、基本的には季節に関係なく1年中活動します。中でも雨が多く湿度の高い梅雨や、台風が多発する夏は、シロアリにとって最も過ごしやすい時期だと言われています。家族の憩いの場である家をシロアリ被害から守るにはどうしたら良いのか、専門業者に取材しました。

「夕飯を食べているときに、蛍光灯に羽アリが数匹たかっていた。今までうちではみたことなかったのに・・・。一体どこから飛んできたのだろうか・・・。気になるから一度調べに来て欲しい」

 ある日、S社長が経営する白アリ駆除サービスの会社に以上のような内容の電話がかかってきました。事情を聴くなりS社長は、「もしかしたら」とある可能性について考えました。
 翌日、現場を訪れたS社長とスタッフは早速、電話をかけてきた男性にさらに詳しい聞き取りを行いました。その結果、

・羽アリが出たのは今年が初めてで、一度見かけて以降、何度も見かけるようになった
・家は築30年の木造住宅
・これまで大掛かりなリフォームやメンテナンスなどはしたことがない

ということが分かりました。話を一通り聞き終わると、S社長は男性に対して、

「これはもしかしたら白アリの仕業かもしれませんね。そうでないことを祈りたいところですが、とにかく一度床下などを調べてみましょう」

と告げました。
 S社長はなぜ、羽アリが出ただけでシロアリが発生しているかもしれないと考えたのでしょうか?実は、シロアリや羽アリは、庭にいる一般的なアリとは異なり、普段の生活の中で見かけることはほとんどありません。普通にその辺を飛び回っている虫ではないのです。つまり、自宅や周辺で羽アリを見掛けたということは、近隣でシロアリの被害に遭っている家があるかもしれないということになるのです。もちろん、今回電話をかけてきた男性宅が被害を受けているとは限りません。もしかしたら隣の家かもしれないし、さらに向こうの家かもしれません。いずれにせよ、被害が大きくならないように、いっこうも早く発生源を突き止めなければなりません。
 S社長とスタッフは、とりあえず家の中を確認し、発生源となりそうな場所を探すことにしました。そして1時間後、ある場所に目を付けました。
「勝手口付近の床が多少ブカブカしていますが、これはいつからですか?」

 S社長が訪ねると男性は、

「1年くらい前からだったと思います。何せ古い家なので、床板が腐ってしまったのかと思っていました・・・」

 周辺にはところどこカビも生えていて、だいぶ湿気がありそうな雰囲気でした。いずれにせよ、そのままに放置しておいてうっかりの飼ってしまうと危ないので、床板はいったん剥がすことにしました。すると、スタッフが一枚一枚床板を剥がしていく最中、床下から1匹、また1匹と、羽アリが上がってきました。

「どうやら予想した通りの結果になってしまったようですね。この下でシロアリが発生しているようです」

 驚いた男性はS社長に対し、

「し、シロアリ!?うちは食われて潰れてしまうんですか???」

 もちろん、シロアリが発生したからと言って、すぐに家が倒れてしまうということはありません。しかし、そのまま気付かずに放置しておくと、いずれ柱や量が食い尽くされて、家が潰れてしまう可能性は十分あります。S社長は男性に対し、

「被害の状況にもよりますが、まだそこまではならないと思います。とにかく一刻も早くシロアリを駆除し、食われてしまった柱を新しいものに交換した方が良いでしょう」

 男性はその場でシロアリ駆除をS社長に依頼。電話を受けた時点でシロアリの可能性が高いと考えていたS社長らは道具を一式もってきていたため、その場ですぐに作業に取り掛かりました。幸い、まだ実際に食われていたのは柱一本だけだったため、作業は当日で完了。あとはリフォーム業者に頼んで柱を修理してもらえば、作業は完了ということになりました。

「湿度の高い台所の床下は、シロアリが発生しやすい場所です。浴室や洗面所周りも注意が必要です。床板がブカブカしたり、柱や壁に偏食が見られた場合は、シロアリが発生している可能性があるため、すぐに専門家に相談した方が良いでしょう」
 
 シロアリはとにかく湿気の多い場所を好みます。雨量が増え、床下に湿気が溜まりやすいこれからの季節は特に注意が必要です。普段以上に換気を心掛けて、湿気が溜まらないようにしましょう。異変を感じたら、まずはお近くの全国優良リフォーム会員にご相談下さい。