原因は入居者が部屋の中にため込んだ大量のゴミ
賃貸経営には入居者トラブルが付きものです。
・決まった日以外にゴミを出す
・ゴミの分別をしない
・夜中に大きな音で音楽を聴く
・内緒でペットを飼う
・赤ちゃんの泣き声がうるさい
等々、アパート・マンションをお持ちの方であれば、一つや二つは経験があるのではないでしょうか?一体どうすればトラブルのない賃貸経営を実現できるのでしょうか?実例をもとに考えてみたいと思います。
「どこからか大量のチョウバエが入ってきて困っている。駆除しても駆除してもキリがない。どこで発生しているのか原因を突き止めて欲しい」
2021年5月某日、東京都内に総戸数24戸の賃貸マンションを所有する丸橋清隆オーナー(仮名)の携帯電話に、入居者Aさんからこんな連絡が入ったそうです。聞けば、Aさんは仕事柄、普段は外食がほとんどで、自宅で食事をとることはほとんどなく、チョウバエの発生にまったく心当たりがないとのこと。それにもかかわらず、夜遅くに帰宅するといつもキッチン周りに数匹のチョウバエが飛んでいるため、殺虫剤で駆除しているそう。1週間辛抱したものの、キリがないと思い、オーナーに連絡をしてきました。
「とにかく原因を突き止めないことには対処のしようがないと思い、管理会社の担当者とともにAさんの部屋を点検させてもらうことにしました」
しかし、キッチン周りを中心に原因の究明を試みたものの、結局分からず仕舞い。仕方なく、丸橋オーナーはAさんに外注駆除剤を私、もう1週間様子を見るように頼みました。しかし、1週間経ってもチョウバエがいなくなることはありませんでした。
-一体どうしたものか・・・-頭を抱える丸橋オーナーの携帯に、別の入居者Bさんから連絡が入ったのはそんなときでした。その内容は、
「最近、部屋の中でチョウバエをよく見かけるようになった。部屋の中をくまなく点検したところ、うちで発生しているようには思えない。ちょっと調べてくれませんか」
というもの。なんと、Aさんと同じ内容だったのです。さすがに「これはおかしい」と思った丸橋オーナーは、害虫駆除の専門会社S社にチョウバエ発生の原因の究明と駆除を頼むことにしました。
S社がまず行ったのは、丸橋オーナーに連絡をしてきたAさんとBさんの部屋の位置の確認でした。
「Bさんの部屋はAさんの部屋の2軒隣に位置していました。両者の間には別の入居者Cさんが住んでいました」
これを聞いたS社は次のように言いました。
「AさんとBさんの部屋でチョウバエが発生しているのであれば、Cさんの部屋でもチョウバエが発生している可能性が高いです。丸橋オーナーのところで連絡は来ていないようなので、直接訪問して確認してみましょう」
丸橋オーナーはS社とともにCさんの部屋を訪ねて呼び鈴を鳴らすと、玄関の扉が半分ほど開き、寝起き顔のCさんが顔を出しました。
「実は両隣の部屋でチョウバエが発生したため、原因を調査しています。Cさんの部屋は大丈夫ですか?」
このときCさんはなぜか慌てた様子で、何も答えないまま扉を閉めようとしました。S社はすかさず閉まりかけた扉に手をかけ、勢いよく引っ張りました。開いた扉のその先には、驚愕の景色が広がっていたのです。
「玄関までゴミの入った袋が山積みになっていました。ゴミ屋敷とまではいかないまでも、かなりひどい状態でした。チョウバエの発生原因はCさんの部屋だったというわけです」
丸橋オーナーはその場でCさんにゴミの撤去を求めました。
「一日遅れればその分、また両隣の住人に迷惑をかけることになるので、その日のうちにゴミを全部片づけました」
ゴミの量が大量だったため、丸橋オーナーは臨時でゴミの収集車を手配。S社のチョウバエ駆除も含め、かかった費用はすべてCさんに請求したそうです。
「幸い、ゴミを集めていたわけではなく、忙しくて捨てずにいたらいつのまにか大量に溜まっていただけのようでした。こちらの要求にすんなり応じてくれたのは、唯一の救いでしたね」
S社の駆除作業のおかげで、以降、AさんとBさんの部屋にチョウバエが出ることはなくなったそうです。
今回の事例は、幸いにもCさんがゴミのコレクターではなかったため、問題をスムーズに解決することができました。しかし、すべてがこういくとは限りません。仮にCさんにゴミの収集癖があったとしたら、ゴミの撤去には相当の時間がかかったはずで、Aさん、Bさんの精神的負担もさらに大きくなり、最悪、退去という事態を招いていたかもしれません。また、これが夏場であれば、悪臭にも悩まされたはずです。みなさんも今回のようなトラブルに巻き込まれないように、日頃から入居者とコミュニケーションを図り、何か困りごとがないか、確認するようにして下さい。賃貸経営に関するご相談は、お近くの全国優良リフォーム会員まで。
賃貸経営には入居者トラブルが付きものです。
・決まった日以外にゴミを出す
・ゴミの分別をしない
・夜中に大きな音で音楽を聴く
・内緒でペットを飼う
・赤ちゃんの泣き声がうるさい
等々、アパート・マンションをお持ちの方であれば、一つや二つは経験があるのではないでしょうか?一体どうすればトラブルのない賃貸経営を実現できるのでしょうか?実例をもとに考えてみたいと思います。
「どこからか大量のチョウバエが入ってきて困っている。駆除しても駆除してもキリがない。どこで発生しているのか原因を突き止めて欲しい」
2021年5月某日、東京都内に総戸数24戸の賃貸マンションを所有する丸橋清隆オーナー(仮名)の携帯電話に、入居者Aさんからこんな連絡が入ったそうです。聞けば、Aさんは仕事柄、普段は外食がほとんどで、自宅で食事をとることはほとんどなく、チョウバエの発生にまったく心当たりがないとのこと。それにもかかわらず、夜遅くに帰宅するといつもキッチン周りに数匹のチョウバエが飛んでいるため、殺虫剤で駆除しているそう。1週間辛抱したものの、キリがないと思い、オーナーに連絡をしてきました。
「とにかく原因を突き止めないことには対処のしようがないと思い、管理会社の担当者とともにAさんの部屋を点検させてもらうことにしました」
しかし、キッチン周りを中心に原因の究明を試みたものの、結局分からず仕舞い。仕方なく、丸橋オーナーはAさんに外注駆除剤を私、もう1週間様子を見るように頼みました。しかし、1週間経ってもチョウバエがいなくなることはありませんでした。
-一体どうしたものか・・・-頭を抱える丸橋オーナーの携帯に、別の入居者Bさんから連絡が入ったのはそんなときでした。その内容は、
「最近、部屋の中でチョウバエをよく見かけるようになった。部屋の中をくまなく点検したところ、うちで発生しているようには思えない。ちょっと調べてくれませんか」
というもの。なんと、Aさんと同じ内容だったのです。さすがに「これはおかしい」と思った丸橋オーナーは、害虫駆除の専門会社S社にチョウバエ発生の原因の究明と駆除を頼むことにしました。
S社がまず行ったのは、丸橋オーナーに連絡をしてきたAさんとBさんの部屋の位置の確認でした。
「Bさんの部屋はAさんの部屋の2軒隣に位置していました。両者の間には別の入居者Cさんが住んでいました」
これを聞いたS社は次のように言いました。
「AさんとBさんの部屋でチョウバエが発生しているのであれば、Cさんの部屋でもチョウバエが発生している可能性が高いです。丸橋オーナーのところで連絡は来ていないようなので、直接訪問して確認してみましょう」
丸橋オーナーはS社とともにCさんの部屋を訪ねて呼び鈴を鳴らすと、玄関の扉が半分ほど開き、寝起き顔のCさんが顔を出しました。
「実は両隣の部屋でチョウバエが発生したため、原因を調査しています。Cさんの部屋は大丈夫ですか?」
このときCさんはなぜか慌てた様子で、何も答えないまま扉を閉めようとしました。S社はすかさず閉まりかけた扉に手をかけ、勢いよく引っ張りました。開いた扉のその先には、驚愕の景色が広がっていたのです。
「玄関までゴミの入った袋が山積みになっていました。ゴミ屋敷とまではいかないまでも、かなりひどい状態でした。チョウバエの発生原因はCさんの部屋だったというわけです」
丸橋オーナーはその場でCさんにゴミの撤去を求めました。
「一日遅れればその分、また両隣の住人に迷惑をかけることになるので、その日のうちにゴミを全部片づけました」
ゴミの量が大量だったため、丸橋オーナーは臨時でゴミの収集車を手配。S社のチョウバエ駆除も含め、かかった費用はすべてCさんに請求したそうです。
「幸い、ゴミを集めていたわけではなく、忙しくて捨てずにいたらいつのまにか大量に溜まっていただけのようでした。こちらの要求にすんなり応じてくれたのは、唯一の救いでしたね」
S社の駆除作業のおかげで、以降、AさんとBさんの部屋にチョウバエが出ることはなくなったそうです。
今回の事例は、幸いにもCさんがゴミのコレクターではなかったため、問題をスムーズに解決することができました。しかし、すべてがこういくとは限りません。仮にCさんにゴミの収集癖があったとしたら、ゴミの撤去には相当の時間がかかったはずで、Aさん、Bさんの精神的負担もさらに大きくなり、最悪、退去という事態を招いていたかもしれません。また、これが夏場であれば、悪臭にも悩まされたはずです。みなさんも今回のようなトラブルに巻き込まれないように、日頃から入居者とコミュニケーションを図り、何か困りごとがないか、確認するようにして下さい。賃貸経営に関するご相談は、お近くの全国優良リフォーム会員まで。