話題の最新空室対策~小額投資で高利回りのテレワーカー向けレンタルスペース~|空室対策|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2021.02.22

話題の最新空室対策~小額投資で高利回りのテレワーカー向けレンタルスペース~

話題の最新空室対策~小額投資で高利回りのテレワーカー向けレンタルスペース~
コロナ禍で入居テナントが大量退去!さぁどうする?

 新型コロナの流行で、苦境に立たされるビルオーナーが増えています。業績不振にあえぐ企業が、経費削減のために賃料の安い物件に移転したり、あるいはオフィスそのもの廃止する動きを活発化させているためです。コロナ禍で注目される空室対策を取り上げます。

 東京都台東区の表通りを一本入った裏通り。最寄り駅から徒歩8分の場所にある、金沢義男オーナーが所有する7階建てのフィスビルは、昨年の4月以降、コロナの影響でテナントが相次いで退去。わずか2カ月後には、3フロアが「空室」になってしまいました。
 管理会社のアドバイスで、しばらくは入居条件を引き下げるなどして、新たなテナントを募集しました。しかし、先行きが見通せない状況の中では、新しい借り手はなかなか見つかりません。結局、ひと月半ほど様子をみたものの、内見はおろか、問い合わせすらない状況が続いたため、オフィスとして貸し出すのはいったん諦め、別の形で転用する道を探ることになりました。
 最初に検討したのはトランクルームでした。実際に、3社から話も聞いたそうですが、最終的にトランクルームは見送ることになりました。理由は、周辺のトランクルームの稼働状況でした。もともと古いビルが多い地域であることから競合が多く、しかもほとんど満室稼働していませんでした。
 そして検討を始めてからひと月ほどが経過した頃、管理会社の担当者からある提案がありました。

「場所柄、オフィスだけでなく、住居も多い。テレワーカーをターゲットにしたレンタルスペースにしてみたらどうか」

 金沢オーナーは早速、その担当者とともに周辺のレンタルスペースの状況について調査を行いました。すると、ビルから半径2㎞圏内にある6つのレンタルスペースはいずれも、平日、週末を問わず、かなり多くの人に利用されていることが分かりました。受付の人の話では、コロナ禍でテレワークを採り入れる企業が増えて以降、急に利用者の数が増えたということでした。

「テレワークといっても、実際に家に集中して仕事ができる環境がある過程は限られています。子どもたちもいる中で、そういう場を確保するのは、思っている以上に難しいのです。結局、大多数の人は有料のスペースを借りて仕事をしていたのです」

この結果を踏まえ、金沢オーナーは空いた3フロアのうち2フロアをレンタルオフィスにすることにしました。管理会社の協力の下、50坪ある各フロアに座席を30席ずつ配し、インターネットなどの環境を整備。飛沫防止用のパーティションなども設置し、総額約300万円をかけて、9月中旬に、テレワーカー向けのレンタルスペースとしてオープンしました。

(収益シミュレーション) 
※利用料:200円/30分、営業時間:9時~20時、月~土営業

①5割稼働の場合

1日の売上→400円×15名×11時間(9時~20時)×2フロア=13万2000円
ひと月の売上→13万2000円×24日=316万8000円

②3割稼働の場合

1日の売上→400円×10名×11時間(9時~20時)×2フロア=8万8000円
ひと月の売上→8万8000円×24日=211万2000円

もともとの賃料収入は、1フロア60万円(1万2000円/坪)、2フロアで120万円。②から人件費(28万円×2名)や光熱費(10万円×2フロア)を差し引いても、以前よりも多くの利益が残る計算です。

「実際に始めてみたところ、ひと月当たり平均250万円の売上が上がっています。初期投資は、もとの賃料との差額を使って6ヶ月で回収しました。もう少し稼働率が上がった段階で、残りのワンフロアもレンタルスペースにする計画です」

 未曽有のコロナ禍で、空室対策にも工夫が求められています。お持ちのビルの空室にお悩みの方は、お近くの全国優良リフォーム会員にご相談下さい。