藤田式収益力企業価値比較法を使っての計算実例
前号で書いた通り、企業の価値は、一切の無駄を排除したうえで純粋な収益力だけで計算しなければなりません。本来の企業価値はそのようにあるべきなのです。収益を生み出さないものは、趣味の領域なのです。
-『藤田式収益力企業価値比較法』-
M&Aを投資として判断するのであれば、この方法だけで十分です。これは、
EBTIDA(○倍)+現金等(現金・保険積立金-借入金)+不動産(売却可能性余剰分)+商品在庫(通常流通余剰分)
という計算をした後、事業や企業内容を永続的競争優位性倍率に当てはめて購入する方法です。
※永続的競争優位性倍率(※2023年4月1日時点での他の投資と比較した際の倍率)とは、その時の不動産投資・先物投資・株式投資・債券投資・・・といった他の投資と比較した際の倍率を考えて変動させます。不動産投資で20%の利回りが回っているのに、リスクの伴うM&Aを30%の投資利回りで買う必要はありません。不動産投資で20%の利回りが回っているのに、自社の事業で5%しか投資リターンがない事業の設備投資に回す意味がないのです。他の投資商品の利回りが下がれば、M&Aの倍率も下がりますし、利回りが上がればM&Aの倍率も上がります。
〇エネルギー系企業・不動産投資M&A等:5〜10倍
(営業利益+減価償却費)×5倍+現金・保険積立金・株式
太陽光や風力発電・不動産収益投資などは、M&Aとの考え方とは異なり、そちらの専門業種での収益還元法にて判断することになります。築年数や地域等他の要因が関係しますので、このM&Aの購入の考え方からは除外して考えます。単にM&Aという手法を使って不動産や太陽光を購入したということになりますので、一般企業の購入のM&Aとは別の考え方になります。
以下は一般企業の買収価格計算法となります。
〇参入障壁企業・免許制企業:5倍以下
(営業利益+減価償却費)×5倍+現金・保険積立金・株式
新規企業が特定の産業や製品市場に進出するときに受ける相対的な困難の要因です。経営において多角化や新製品開発の戦略を決定する際、一つの戦略基準となります。
(1)経済の集中による寡占化が行われ最低必要規模が大きい
(2)新規企業の絶対的生産費用が既存企業よりも高い
(3)製品差別化が強く、新規企業は広告や販売促進への支出を多く必要とする
〇地域No.1・業界No.1 (他社が進出しにくい業種やエリア・独占企業):4倍以下
(営業利益+減価償却費)×4倍+現金・保険積立金・株式
地方の人口減少地域やエリア独占企業が該当します。地方は大企業や新規進出企業が少ないため、緩やかな右肩下がりの業態になりますが、他の企業の廃業や吸収を得て大きくなることもあります。エリア独占企業は都心部でも、一定以上規模になると他社の参入ができなくなります。
〇一般業種・企業(他社と比較できる業種・ほとんどの会社がこれに該当します):3倍以下
(営業利益+減価償却費)×3倍+現金・保険積立金・株式
※特許や特別の優位性がなく、競合もある中、社長の力量や社員の営業力・店舗の出店場所等の他社優位性によって利益を出している会社が該当します。
〇一過性業種・企業(流行り業種):2倍以下
(営業利益+減価償却費)×2倍+現金・保険積立金・株式
タピオカや高級食パンといった食品・飲食系、携帯ゲーム・出会い系アプリ・IT関係、ファッション・イベント企画等の流行りのものは、もって最大2年です。同業他社が同じような商品を次々と出してくるのと、飽きられるのも早いからです。
〇該当しない業種
「最近特許が取れた」あるいは「最近新しいアプリのソフトを開発した」というベンチャー企業は、上記のデータに当てはまりませんので該当しません。また、技術革新はそもそも未知の領域ですので、DCF法もマルチプル法もどんなデータも該当しませんので、そのような業種に投資やM&Aをする場合は、あなたがその業種のプロになり、あなたの起業家としての目で将来性を判断して購入するということになります。
上記の判断基準を元に伸びしろのある会社は+αになりますし、下降トレンド・下降要因を持っている会社は―αの企業価値になります。
(次号へ続く)
前号で書いた通り、企業の価値は、一切の無駄を排除したうえで純粋な収益力だけで計算しなければなりません。本来の企業価値はそのようにあるべきなのです。収益を生み出さないものは、趣味の領域なのです。
-『藤田式収益力企業価値比較法』-
M&Aを投資として判断するのであれば、この方法だけで十分です。これは、
EBTIDA(○倍)+現金等(現金・保険積立金-借入金)+不動産(売却可能性余剰分)+商品在庫(通常流通余剰分)
という計算をした後、事業や企業内容を永続的競争優位性倍率に当てはめて購入する方法です。
※永続的競争優位性倍率(※2023年4月1日時点での他の投資と比較した際の倍率)とは、その時の不動産投資・先物投資・株式投資・債券投資・・・といった他の投資と比較した際の倍率を考えて変動させます。不動産投資で20%の利回りが回っているのに、リスクの伴うM&Aを30%の投資利回りで買う必要はありません。不動産投資で20%の利回りが回っているのに、自社の事業で5%しか投資リターンがない事業の設備投資に回す意味がないのです。他の投資商品の利回りが下がれば、M&Aの倍率も下がりますし、利回りが上がればM&Aの倍率も上がります。
〇エネルギー系企業・不動産投資M&A等:5〜10倍
(営業利益+減価償却費)×5倍+現金・保険積立金・株式
太陽光や風力発電・不動産収益投資などは、M&Aとの考え方とは異なり、そちらの専門業種での収益還元法にて判断することになります。築年数や地域等他の要因が関係しますので、このM&Aの購入の考え方からは除外して考えます。単にM&Aという手法を使って不動産や太陽光を購入したということになりますので、一般企業の購入のM&Aとは別の考え方になります。
以下は一般企業の買収価格計算法となります。
〇参入障壁企業・免許制企業:5倍以下
(営業利益+減価償却費)×5倍+現金・保険積立金・株式
新規企業が特定の産業や製品市場に進出するときに受ける相対的な困難の要因です。経営において多角化や新製品開発の戦略を決定する際、一つの戦略基準となります。
(1)経済の集中による寡占化が行われ最低必要規模が大きい
(2)新規企業の絶対的生産費用が既存企業よりも高い
(3)製品差別化が強く、新規企業は広告や販売促進への支出を多く必要とする
〇地域No.1・業界No.1 (他社が進出しにくい業種やエリア・独占企業):4倍以下
(営業利益+減価償却費)×4倍+現金・保険積立金・株式
地方の人口減少地域やエリア独占企業が該当します。地方は大企業や新規進出企業が少ないため、緩やかな右肩下がりの業態になりますが、他の企業の廃業や吸収を得て大きくなることもあります。エリア独占企業は都心部でも、一定以上規模になると他社の参入ができなくなります。
〇一般業種・企業(他社と比較できる業種・ほとんどの会社がこれに該当します):3倍以下
(営業利益+減価償却費)×3倍+現金・保険積立金・株式
※特許や特別の優位性がなく、競合もある中、社長の力量や社員の営業力・店舗の出店場所等の他社優位性によって利益を出している会社が該当します。
〇一過性業種・企業(流行り業種):2倍以下
(営業利益+減価償却費)×2倍+現金・保険積立金・株式
タピオカや高級食パンといった食品・飲食系、携帯ゲーム・出会い系アプリ・IT関係、ファッション・イベント企画等の流行りのものは、もって最大2年です。同業他社が同じような商品を次々と出してくるのと、飽きられるのも早いからです。
〇該当しない業種
「最近特許が取れた」あるいは「最近新しいアプリのソフトを開発した」というベンチャー企業は、上記のデータに当てはまりませんので該当しません。また、技術革新はそもそも未知の領域ですので、DCF法もマルチプル法もどんなデータも該当しませんので、そのような業種に投資やM&Aをする場合は、あなたがその業種のプロになり、あなたの起業家としての目で将来性を判断して購入するということになります。
上記の判断基準を元に伸びしろのある会社は+αになりますし、下降トレンド・下降要因を持っている会社は―αの企業価値になります。
(次号へ続く)