良い案件を紹介してもらうためのコツ
セミナーやDMMのサロンで一番多い質問は「どのようにしたら良い案件の情報を取る事ができますか?」という内容のものです。
良い案件は、書面にして出回る前に買主に連絡があります。私のところにも
「本日〇〇〇といった会社に行ったのですが興味ありますか?興味があるのであれば、オープンにする前に貴社を前提に売主を調整しますがどうでしょうか?」
「売主がまだ売るか売らないか決めきれていないのです。一緒に行って売主に交渉してもらえませんか?」
という話がよく来ます。トップ面談は通常4社か5社までです。良い会社は一瞬にして買主候補が見つかります。WEBでオープンに会社を募る必要がないのです。では、仲介会社はどのような会社に優先的に情報を流すのでしょうか?
①M&A経験者
M&Aが初めての場合、デューデリジェンスをするにつれて社内の人事の問題、過去の取引でのトラブル、最近の下降気味の業績等々、ネガティブな材料が出てくるのはよくある話です。そのような場合はたいてい「本当にこの会社に3億円も出して購入して良いのだろうか?」と不安になり、結果購入しませんとなります。
②購入資金に余裕がある方
買付は高値で出たとしても、結果融資が通らずに購入できませんでしたという話もよくある話です。銀行の営業マンも最終的に融資するかどうかは別にして、融資を出すチャンスがあるのであれば「検討します」「がんばります」と言うのが当たり前です。ただ担当窓口と融資部の判断は違います。そうすると融資が出ないで話が流れるということを避けたいと思うのが仲介担当者です。資金力があるところに話を持っていきたいと考えるのは、至極当然のことだと言えるでしょう。
③判断が早い会社
一般的にトップ面談をして一社に決めるまでに2ヵ月、そこからデューデリジェンスに3か月、都市銀行であれば、M&Aの部署は東京の本社にあるのが普通ですので、そこから銀行審査が2ヵ月かかります。最終的な決済までに7カ月もかかるとなると、その間に売主も疲れてしまい、「やっぱり売るのをやめる」という判断や、7カ月のうちに「当初予定していたよりも業績が悪くなってしまったからこの金額では買えない」や、逆に「当初の予定よりも利益が大きくなったからやっぱり売らない」ということが起こり、仲介会社の折角の段取りが無駄になってしまうことがあります。そうした事態を避けるためにも、仲介会社としては決断のスピードが速いところに話を持っていきます。
次に、どのようにすれば良い案件が回ってくるのか考えてみたいと思います。
①会社の瑕疵について
多少の労基違反やサービス残業、契約書の不備等はあるでしょう。基本的にそのような細かいことについてとやかく言われることはありません。私は、デューデリジェンスも行いませんので最低限の資料だけ確認します。デューデリジェンスを担当する弁護士や会計士があまりにも細かいことを言うと、売主は資料の作成業務が多くなるため「今回の購入でこのような財務や法的な内容でもないものまで、買うか買わないかもわからないのに用意しなければいけないのですか?」「いい加減にして欲しい」となり、だんだん両者の仲が悪くなり、結果保留のまま売買がいつまでたっても成立しないということになってしまいます。あまり細かく突き詰めるのは良くありません。
②手元の現金で購入します。
手元の現金で購入しますといわれると、デューデリジェンス後の銀行融資が通るかとおらないのかという心配だけでなく、期間も2ヵ月短縮されます。営業マンとしても売り上げ目標もありますので、早めに決済ができることは良いことになります。
③購入の買付が早い会社
売主側も早く決断してくれると、お互い気持ちの熱いうちに決済まで持ち込めますので、成約率が高まります。成約しなければ仲介会社の手数料は0円ですので、時間をかけて高い価格を出してくる企業よりも、多少安くても即決で決めてくれる会社の方が有難いのです。
まとめると、良い会社を買いたいのであれば、
・我儘を言わない
・現金が十分にある
・すぐに購入するので良い案件を回して欲しい
とアピールすれば良いということになります。
(次号に続く)
セミナーやDMMのサロンで一番多い質問は「どのようにしたら良い案件の情報を取る事ができますか?」という内容のものです。
良い案件は、書面にして出回る前に買主に連絡があります。私のところにも
「本日〇〇〇といった会社に行ったのですが興味ありますか?興味があるのであれば、オープンにする前に貴社を前提に売主を調整しますがどうでしょうか?」
「売主がまだ売るか売らないか決めきれていないのです。一緒に行って売主に交渉してもらえませんか?」
という話がよく来ます。トップ面談は通常4社か5社までです。良い会社は一瞬にして買主候補が見つかります。WEBでオープンに会社を募る必要がないのです。では、仲介会社はどのような会社に優先的に情報を流すのでしょうか?
①M&A経験者
M&Aが初めての場合、デューデリジェンスをするにつれて社内の人事の問題、過去の取引でのトラブル、最近の下降気味の業績等々、ネガティブな材料が出てくるのはよくある話です。そのような場合はたいてい「本当にこの会社に3億円も出して購入して良いのだろうか?」と不安になり、結果購入しませんとなります。
②購入資金に余裕がある方
買付は高値で出たとしても、結果融資が通らずに購入できませんでしたという話もよくある話です。銀行の営業マンも最終的に融資するかどうかは別にして、融資を出すチャンスがあるのであれば「検討します」「がんばります」と言うのが当たり前です。ただ担当窓口と融資部の判断は違います。そうすると融資が出ないで話が流れるということを避けたいと思うのが仲介担当者です。資金力があるところに話を持っていきたいと考えるのは、至極当然のことだと言えるでしょう。
③判断が早い会社
一般的にトップ面談をして一社に決めるまでに2ヵ月、そこからデューデリジェンスに3か月、都市銀行であれば、M&Aの部署は東京の本社にあるのが普通ですので、そこから銀行審査が2ヵ月かかります。最終的な決済までに7カ月もかかるとなると、その間に売主も疲れてしまい、「やっぱり売るのをやめる」という判断や、7カ月のうちに「当初予定していたよりも業績が悪くなってしまったからこの金額では買えない」や、逆に「当初の予定よりも利益が大きくなったからやっぱり売らない」ということが起こり、仲介会社の折角の段取りが無駄になってしまうことがあります。そうした事態を避けるためにも、仲介会社としては決断のスピードが速いところに話を持っていきます。
次に、どのようにすれば良い案件が回ってくるのか考えてみたいと思います。
①会社の瑕疵について
多少の労基違反やサービス残業、契約書の不備等はあるでしょう。基本的にそのような細かいことについてとやかく言われることはありません。私は、デューデリジェンスも行いませんので最低限の資料だけ確認します。デューデリジェンスを担当する弁護士や会計士があまりにも細かいことを言うと、売主は資料の作成業務が多くなるため「今回の購入でこのような財務や法的な内容でもないものまで、買うか買わないかもわからないのに用意しなければいけないのですか?」「いい加減にして欲しい」となり、だんだん両者の仲が悪くなり、結果保留のまま売買がいつまでたっても成立しないということになってしまいます。あまり細かく突き詰めるのは良くありません。
②手元の現金で購入します。
手元の現金で購入しますといわれると、デューデリジェンス後の銀行融資が通るかとおらないのかという心配だけでなく、期間も2ヵ月短縮されます。営業マンとしても売り上げ目標もありますので、早めに決済ができることは良いことになります。
③購入の買付が早い会社
売主側も早く決断してくれると、お互い気持ちの熱いうちに決済まで持ち込めますので、成約率が高まります。成約しなければ仲介会社の手数料は0円ですので、時間をかけて高い価格を出してくる企業よりも、多少安くても即決で決めてくれる会社の方が有難いのです。
まとめると、良い会社を買いたいのであれば、
・我儘を言わない
・現金が十分にある
・すぐに購入するので良い案件を回して欲しい
とアピールすれば良いということになります。
(次号に続く)