04 人心掌握術-一瞬でお客様を虜にする方法①
野村「会ったことあったけな~??」
-はい。監督、3回目ですよ
野村「えっ!?そうか?」
-以前、お会いした時も同じことを言われましたけど・・・」
野村「そうか・・・。俺は男の顔はよく忘れるからな・・・」
周りのスタッフから笑いが起こる。
別の日もそうだ。取材を始める前に携帯電話が鳴る。
-監督、電話ですよ。
時刻は夕方6時。携帯のメールを開いて、
野村「銀座のねぇちゃんだよ。俺は全然モテないよ。営業だよ!営業!」
とおどけて見せる。当然、ここでも笑いが起こる。
また、別の日はこうだった。
野村「ずいぶん前に克則と喧嘩したんだよ。『お父さんの子で生まれてこなければ良かったって・・・』」
さすがに、そのときの淋しそうな顔には、私も返答に困った。
いずれも、野村監督に取材した日に、はじめに交わした言葉である。野村監督と私とは、年齢が40歳近く違う。監督は人の心を読むのが早い。
どんな難しい経済学の本にも、すごいノウハウの詰まった経営学の本にも書いていないことがある。それは、その本の通りに事実を実行しても、うまくいかないということである。それは、本を書いた人と読んでいる人とでは、性格も違えばスキルも違うからだ。
私にとって野村監督は憧れであり、尊敬する人である。緊張するに決まっている。はじめは「どのようにしたら怒らせないで取材できるだろうか?」「私の思うように話してくれるだろうか?」「時間は十分もらえるだろうか・・・」と、そんな不安ばかりを抱きながら「よろしくお願いします」と始めた。
監督はそんな私の心の状態を一瞬で読んで、鼓動を合わせて来る。わざと気を引く冗談を言い、シンクロさせてくる。私の話しやすい環境を作ってくれたのだ。
(次号へ続く)
野村「会ったことあったけな~??」
-はい。監督、3回目ですよ
野村「えっ!?そうか?」
-以前、お会いした時も同じことを言われましたけど・・・」
野村「そうか・・・。俺は男の顔はよく忘れるからな・・・」
周りのスタッフから笑いが起こる。
別の日もそうだ。取材を始める前に携帯電話が鳴る。
-監督、電話ですよ。
時刻は夕方6時。携帯のメールを開いて、
野村「銀座のねぇちゃんだよ。俺は全然モテないよ。営業だよ!営業!」
とおどけて見せる。当然、ここでも笑いが起こる。
また、別の日はこうだった。
野村「ずいぶん前に克則と喧嘩したんだよ。『お父さんの子で生まれてこなければ良かったって・・・』」
さすがに、そのときの淋しそうな顔には、私も返答に困った。
いずれも、野村監督に取材した日に、はじめに交わした言葉である。野村監督と私とは、年齢が40歳近く違う。監督は人の心を読むのが早い。
どんな難しい経済学の本にも、すごいノウハウの詰まった経営学の本にも書いていないことがある。それは、その本の通りに事実を実行しても、うまくいかないということである。それは、本を書いた人と読んでいる人とでは、性格も違えばスキルも違うからだ。
私にとって野村監督は憧れであり、尊敬する人である。緊張するに決まっている。はじめは「どのようにしたら怒らせないで取材できるだろうか?」「私の思うように話してくれるだろうか?」「時間は十分もらえるだろうか・・・」と、そんな不安ばかりを抱きながら「よろしくお願いします」と始めた。
監督はそんな私の心の状態を一瞬で読んで、鼓動を合わせて来る。わざと気を引く冗談を言い、シンクロさせてくる。私の話しやすい環境を作ってくれたのだ。
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