儲かるマンション経営の秘訣~既存のエレベーターで収益を上げる方法~|住生活新聞 記者の目|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2024.07.01

儲かるマンション経営の秘訣~既存のエレベーターで収益を上げる方法~

儲かるマンション経営の秘訣~既存のエレベーターで収益を上げる方法~
利益は50万円以上になることも!

 みなさんは、お持ちのビルやマンションに設置されているエレベーターで収益を上げる方法があることをご存じでしょうか?おそらくほとんどの方はご存じないでしょうし、そもそもそんなことを考えたことすらないと思います。一体どんな仕組みなのでしょうか。革新的なビジネスモデルを取材しました。
 ビルやマンションに設置されているエレベーターは、人や荷物を載せて上階や下階へ運ぶための設備です。建物の付加価値と見なされることはあっても、それ自体が収益を生むことはないというのが、これまでの一般的な認識でした。しかし、この常識を覆し、エレベーターの収益化を実現した会社があります。今年3月に設立されたベンチャー企業、エレベーターアセット(東京都新宿区)です。
 税法上、エレベーターに定められている法定耐用年数は17年です。つまり、エレベーターは17年経つと減価償却が終わり、価値のないものとして見なされます。しかし、実際は減価償却が完了してもその役目が終わることはなく、エレベーターはその後、何年、年十年もメンテナンスを受けながら使われ続けます。故障などが原因で交換されることもありますが、そうしたケースはごく稀です。例えば、京都・四条大橋にある東華彩館に設置されたOTIS社製のエレベーターは1924年にOTIS社で製造されたものですが、驚くべきことに、100年以上経った今も現役で稼働し続けています。矛盾する言い方になりますが、税法上価値がなくなっても、稼働し続ける限り、あるいはそれを利用する人がいる限り、エレベーターの価値はなくならないのです。
 エレベーターアセットの創業者である上野高広社長は、まさにこの点に注目しました。

-実用的な価値がなくならないのであれば収益化できる-

と考え、銀行や自動車関連のファンド、不動産デベロッパーなど、さまざまな畑を歩いて身に付けた金融・動産・不動産の知識を生かし、日本で初となるエレベーターの流動化スキームを完成させました。その画期的なビジネスモデルを解説します。
 建物の所有者であるオーナーはいったん、エレベーターアセットにエレベーターを売却し、その上で改めてエレベーターをリースする契約を同社との間で締結します。なお、この契約にはリース期間終了時に、エレベーターを買い戻すかどうかを選択できる権利が付帯されているため、所有権が半永久的に同社のものとなることはありません。売却額からリース料と、買戻しをした場合はその費用を差し引いた残りが、オーナーの収益として手元に残ります。実際、どのくらいの収益が得られるのか、東京23区内にある築25年、地上4階建ての、積載量450㎏のエレベーターをサンプルとしたシミュレーション例を見てみます。
●エレベーター売却契約

・売却価格237万6000円

●エレベーターのリース契約

・リース契約10年
・リース料月額1万4000円
・リース期間終了後の購入選択権行使額17万3280円

10年間のリース料は1万4000円×12カ月×10年=168万円となり、これに購入選択権行17万3280円を足した185万3280円が総支払額となります。オーナーの収益は、237万6000円からこれを差し引いた52万2720円となります。
エレベーターの査定価格は所在地や築年数、階数、戸数等によって変動するものの、200万~250万円がおおよその目安になるようです。この額が多いか少ないかは、オーナーによって判断の分かれるところですが、少なくともこの収益を得るためにオーナーが新たに負担しなければならないことは一切ありません。エレベーターの所有権を一時的に同社へ移してリースにするだけです。これほど手軽かつ簡単に収益が上がる方法は、他を探してもなかなか見つかりません。画期的なスキームだと言っても過言ではないでしょう。
 もちろん、これだけだとエレベーターアセットには何のメリットもありません。それどころか、リースで得られる金額よりもエレベーターを買い取る金額の方が上回っているため赤字です。一体、どこで収益を得ているのでしょうか。その秘密はリース期間中のエレベーターの活用法にあります。
 実は、同社は買い取ったエレベーターをオーナーにリースする一方で、その期間中、広告媒体「エレアド」としても活用します。近隣の飲食店やクリニック、フィットネスなど、ビルやマンションの入居者に役立つサービスショップや小売店などから広告を募り、その掲載費用を収益とします。出稿形態によって掲載料金は異なりますが、十分な収益が見込めるそうです。出稿する側にとっても、ほとんど見られずにすぐに捨てられてしまうポスティングチラシと違い、継続的に入居者にPRすることができる分、高い広告効果が見込めそうです。
 現在、日本国内には約90万基ものエレベーターがあるそうです。同社は今後、月10基ペースで買い取りを進め、3年から5年のうちに1000基まで増やす計画だそうです。対象エリアは東京、大阪、名古屋、福岡、エレベーター付き物件をお持ちの方は一度検討してみてはいかがでしょうか。お問い合わせはカラーズジャパン(050‐3786‐1005)まで。