DMMオンラインサロン~第2章 M&Aの買い方と特徴④~|コラム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2023.09.18

DMMオンラインサロン~第2章 M&Aの買い方と特徴④~

DMMオンラインサロン~第2章 M&Aの買い方と特徴④~
M&A案件の購入方法

 企業の売り情報を得る方法はいくつかあります。もっともポピュラーなのが情報サイトです。ネットでM&Aの売り情報を検索して気に入った会社があれば、アプローチします。「TRANBI」や「BATONZ」といったサイトがそれにあたります。そこにはたくさんの会社の情報が掲載されていますし、メール登録しておけば、毎日のように売り情報がメールで送られてきます。
 前号で紹介したのが仲人の仲介で結婚相手を探すのに対して、こちらはいわばマッチングアプリです。残念ながらそこまで正確な情報を得られるわけではありません。あくまでも私の感覚ですが、8割以上が実態と違うのではないでしょうか?相対の場合は、仲介会社が紹介文章を作るのに対して、こちらは自己申告です。自己申告で掲載されたスリーサイズや身長、職業、写真といった内容が高身長、高学歴、高収入だったため興味があって会ってみたら、この人誰ですか?ということが出会い系のマッチングアプリではよくあります。
 具体的な事例を一つご紹介します。ネットで見つけた芸能プロダクションの会社を見つけました。サイトの紹介文には「リアルとSNSを駆使して年間1800万円の利益が出ている」と書かれていました。会社の希望売却価格は2000万円。安いですよね。ほぼ1年で投資額が回収できるのですから。早速先方にアプローチです。面談はZOOMでお願いしますということでした。おそらく他からのアプローチもたくさんあるのでしょう。
 はじめに、先方より事業概要などについて説明を受けます。

・新規タレントが増えている
・今後考えている新しい事業
・3年後の収支計画

等々。それを踏まえてこちらも質問します。

「それで、現在の収支はどのようになっていますか?」

先方は

「・・・。今は投資の段階ですので1000万円以上の赤字です」

ネットでのM&Aにはよくある話です。ネットにはたくさんの会社がUPされているので、売り手の立場としてはまずは選んでもらわなければなりません。だから「利益500万円」「売却価格1000万円」「安定収入あり」等々、買い手が食いつきそうなキーワードをたくさん並べます。結果、「安定収入は確かにあったが、購入後に借金が2億円あったことが発覚した」というようなケースはよくあります。
 情報サイトの場合、仲介会社が入っていることが少なく、仮に税理士や個人といった仲介人が入っていても、概要書のようなものをしっかり作っているところは限られます。ただし売り手と買い手が直接やり取りする分、仲介手数料は安価です。そもそもなぜ仲介会社があまり入らないかというと、売却価格が数百万円という安い案件が多いためで、仮にM&Aが成立したとしても手間がかかる割に利益があまりないためです。売り手も仲介会社がいないため、ルールも流れも分かりません。だから、相手にバレないようにいろんなことを隠して高く売り逃げようという赤字会社も多く存在します。その嘘を見破れるかが、購入側の最大のポイントになります。
 今回はここまでです。次回はさらに2つの方法をご紹介します。

(次号に続く)