電気量削減、あの手この手~無駄の多い電気契約で損をしていませんか?|コラム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2018.01.22

電気量削減、あの手この手~無駄の多い電気契約で損をしていませんか?

電気量削減、あの手この手~無駄の多い電気契約で損をしていませんか?
お教えします、電気の基本料金を下げる方法


 エレベータやエントランス、廊下の電気など、マンションの共用部にかかる電気料金は、ひと月単位で見ていくとそれほど大きな金額に感じませんが、年間にすると結構な金額になります。これを削減することができれば、物件全体の収益性を高めることができます。今回は、共用部の電気代を少なくする工夫を、いくつか方法をご紹介したいと思います。興味のある方は是非チャレンジしてみて下さい。
 電気代を減らす方法はいくつかありますが、もっとも手軽なのは電気の使用量を減らすことです。例えば、日照時間に合わせて、照明の点灯時間をする方法があります。夏は冬に比べて日照時間が長いので、照明時間は18時から5時でも十分です。逆に日照時間の短い冬は、17時から6時というように、季節ごとに照明の点灯する時間を調整すれば、それだけでも年間の電気使用量を減らすことができます。無駄は極力なくすようにする、これ経費削減の第一歩です。
 また、LEDライトを使うだけでも、電気料金を削減することができます。LEDライトは蛍光灯などに比べ消費電力が少なく、しかも長寿命です。購入費用は多少高くなりますが、頻繁に交換しなくていい分、トータルで見ると蛍光灯などを使うよりも安く済みます。インターネットなどで探せばかなり低価格のものもありますし、お近くの家電量販に行けばすぐに手に入ります。
 昨年4月に電力の自由化がスタートしました。今までは、電力の購入先は地域ごとに決まっていたため、言い値で購入するしかありませんでしたが、自由化に伴い、どこの業者からでも自由に電気を買うことができるようになりました。ガスやインターネットなどと抱き合わせたお得なプランもたくさんありますので、一度各社のプランを比較検討してみるのもいいでしょう。
 また、LEDへの交換により電気使用量を下げることができたら、すかさず契約容量と種別を確認してみましょう。もし契約容量を下げることができれば、その分、基本料金が下がります。
 電気使用契約は本来、世帯ごとに電力会社と結ぶ「個別契約」が一般的ですが、建物単位で契約することもできます。これを「高圧電力一括受電契約」と言います。実は両者は料金単価に違いがあり、「高圧電力一括契約」の方が、「個別契約」よりも安くなっています。ですので、オーナーが全入居者分の電気をまとめて購入した方が、総額は安くなります。こうした電気は、オーナーが変圧装置を使って入居者に再販売します。価格設定はオーナー自身で決めることができますので、安く提供して入居者に喜んでもらうのもいいですし、多少料金を上乗せして利益を得れば共用部の電気料金を賄うこともできます。これはオーナーの考え方次第だと思います。ただし、「個別契約」と異なり、変圧装置をオーナー側で用意しなくてはならないので、初期投資がいくらかかかります。
 最後は電気ブレーカーの導入です。電気契約は基本的に、建物にある電気器機の電気容量を合算して数値で契約します。ただ、実際にはすべての機器が同時に稼働する状況というのは考えにくく、合算した電気容量に達するケースはほとんどありません。電気ブレーカーを導入しておけば、マイコンによって電気を使用できる許容範囲が制御されるので、従来よりも少ない容量で電気契約を締結できます。万が一の場合に備えるのは非常に大切なことですが、必要以上に余裕を持たせるのは単なる無駄でしかありません。収益性を高めるためにも、最適な容量を見極めるようにしましょう。