おざなりになりがちな廊下・階段のリニューアル|コラム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2018.01.22

おざなりになりがちな廊下・階段のリニューアル

おざなりになりがちな廊下・階段のリニューアル
フロアごとに色を変えてイメージアップ


 住戸や外壁と比べて、階段や廊下のリニューアル工事はどうしても後回しにされがちです。しかし、内見者はこういうところもしっかり見ているので、定期的に改修していく必要があります。今回は、階段と共用廊下のリニューアルについてまとめました。
 共用廊下や階段は、通路としてだけでなく、非常時には避難経路として役割も果たさなければなりません。そのため、通行の妨げになるような装飾をすることはできません。だからと言って最低限の役割を果たせるからと放っておいて良いはずはなく、人の目に触れる場所である以上、定期的にメンテナンスや改修工事を行い、きれいな状態に保っておく必要があります。
 まずは廊下ですが、暗いとイメージが最悪です。特に女性入居者はそれだけで不安を抱くでしょう。電球の状態はなるべくこまめにチェックして、切れそうになる前に交換しましょう。照明設備自体が古い場合は、思い切って設備を交換した方が良いかもしれません。まだ、LED電球になっていない場合は、早いタイミングで交換することをお勧めします。LEDは寿命が長いので交換の手間も省けますし、電気代も安く済むので、ランニングコストも削減できます。
 消火器は大丈夫でしょうか?これも、万が一の時にちゃんと使えるように、定期的に点検しておくようにしましょう。外階段においてある場合は、蜘蛛が巣を張っていたりますので、掃除も忘れないようにしましょう。
 床ですが、まずはコンクリートにクラックが入っていないかどうか確認しましょう。そのまま放置しておくと、そこから雨水が入り込んでコンクリート内の鉄筋を錆びさせてしまいます。さらに、これが悪化して亀裂が大きくなると、直すのに莫大な費用がかかりますので、見つけたら早いうちに補修するようにしましょう。
 廊下の見た目を良くしたい場合は、長尺シートを敷くと良いです。雨でぬれても滑りにくいですし、遮音効果もあるのでうるさい足音も気にならなくなります。また、見た目にもきれいになりますし、汚れた際に掃除も楽です。それほど派手なデザインのものはりませんが、それでもコンクリートのままの廊下に比べたらだいぶ高級感が増します。フロアごとに色を変えたりするのもおススメです。イメージアップの難しい廊下だからこそ、長尺シートの効果は絶大だと思います。
 続いて階段です。まず鉄製の階段は錆びたり塗装がはげ落ちていないかなどをチェックしましょう。塗装が落ちてボロボロになった階段はとてもイメージが悪いです。また、錆びて接合部分が外れかけたりしていたら危険ですし、事故の原因になりかねませんので注意して下さい。
 コンクリート製の内階段は、廊下以上に暗くなりがちです。ですが、2階や3階くらいの低層階に住んでいる入居者の中には、エレベーターの待ち時間がもったいないからと、階段で上がってしまうという方もたくさんいますので、できるだけ明るくきれいにしておいた方が良いです。照明設備が古ければ新しいものに交換し、電球はLEDに変えておきましょう。
 また、廊下と同じようにクラックの有無もしっかり確認して下さい。見た目を良くしたり、遮音性を上げたいのであれば、長尺シートを使いましょう。内階段は音が反響するため、階段近くの住戸だとうるさく感じることがあります。長尺シートを敷いておけば、音もある程度小さくすることができますので、階段付近の住人に迷惑を掛けずに済みます。
 最初にも書きましたが、廊下や階段のリニューアルは住戸や外壁に比べると、どうしてもおざなりにされがちです。ですが、入居者や内見者は、こういうところも意外にしっかり見ているものです。高い入居率を維持していくためには、こうした細かいことの積み重ねが大切なのです。
おざなりになりがちな廊下・階段のリニューアル