住宅履歴情報の有無が売買時の査定額にも影響⁉|コラム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2017.12.11

住宅履歴情報の有無が売買時の査定額にも影響⁉

住宅履歴情報の有無が売買時の査定額にも影響⁉
工事情報の管理は今や必須

 2008年から始まった「住宅履歴書制度」ですが、その詳しい内容をきちんと把握されている方はまだまだ少ないと思います。今回は改めて制度の概要や施主のメリット、お勧めの住宅履歴関連サービスをご紹介します。
 みなさんは、お持ちのお自宅が、いつ、どこの業者で、どのくらいの費用をかけて、どんな内容の工事をしたのか、きちんと把握されているでしょうか?日本には「住宅履歴書制度」というものがあり、特に2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」によって認定される長期優良住宅は、「住宅履歴情報」の蓄積が施主に義務付けられていることをご存知でしょうか?長期優良住宅をお持ちの方は時折、行政から建物の状況について報告を求められることがありますので、その場合は住宅履歴情報をもとに報告を行わなければなりません。もしも履歴情報を蓄積しておらず、報告ができないような事態になると、30万円以下の罰金や長期優良住宅の認定取り消しなどの処分を受ける可能性があります。何十年も前の工事の履歴を今から把握することは不可能かもしれませんが、少なくとも制度が始まって以降に行ったリフォーム工事などについては、今からでも遅くありません。工事をお願いした業者に連絡して、履歴情報を取り寄せることができないか確認しましょう。
 「でも、住宅履歴情報を蓄積しておくことにどんなメリットがあるの?」と、多くの方は疑問に思われるかもしれません。実は、色々なメリットがあります。過去にリフォームをされたことがある方は経験があるかもしれませんが、例えば外壁のメンテナンスを行う際、前回はいつ、どの位の予算をかけて行ったかがすぐに分からず、無駄に時間がかかってしまったことはありませんか?履歴情報がきちんと保管されていれば、必要な時に必要な情報をすぐに取り出すことができます。「工事を行うのに適切なタイミングなのか」「今回の見積りが前回と比べて妥当な金額なのか」なのかを判断する材料になるわけです。
 また、住宅履歴情報はいわば、その家の維持・管理が適切に行われてきたことを証明する資料です。そのため最近は、これの有無を、買い取り時の価格査定に加える業者も現れ始めています。中古で家を購入する方からしても、過去にどんなリフォーム工事がされていたのかを把握できる情報があった方が安心です。
 このように施主にとってさまざまなメリットをもたらす住宅履歴情報は、工事を行ったリフォーム会社や建築会社などから手に入れることができます。ただし、工事履歴を残すことが施工会社に義務付けられているわけではないので、中にはそうした情報をまったく保管していないような業者もいます。ただ、それでは、保証書の内容が分からない、緊急時の対応ができないなど、施主が多大な損失を被る可能性があります。工事を依頼する場合は、履歴情報の保管状況について事前に確認することをお勧めします。


 工事履歴の保管機関である(一社)優良リフォーム支援協会は、会員企業が行ったリフォーム工事などを「住生活カルテ」としてデータベース化して管理しています。そのため施主様は、IDとパスワードを使っていつでも、工事履歴や保証履歴、契約書などを確認することができます。
 また、専用サイトでは、暮らしに関するさまざまな情報を発信しています。例えば「エアコンのリコールがあったけど、うちの商品は大丈夫なのか」と言った情報も、こちらのサイトで調べることができます。
 他にも、国内・海外のお得な旅行情報や、お買物券の抽選情報など、お得な情報も満載です。履歴情報登録者の方であれば、どなたでも利用できます。