台風による屋根の破損を火災保険で修理 建築・不動産の知識に基づきアドバイスる自然災害鑑定士|コラム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2017.08.10

台風による屋根の破損を火災保険で修理 建築・不動産の知識に基づきアドバイスる自然災害鑑定士

台風による屋根の破損を火災保険で修理 建築・不動産の知識に基づきアドバイスる自然災害鑑定士
台風や地震など、世界有数の災害国として知られる日本。しかし、自然災害が多いにもかかわらず、被害を受けた場合の対処法について詳しく理解している専門家は非常に少ないのが実情です。
8月・9月は、1年を通じてもっとも台風の多い時期です。しかも最近は、地球温暖化の影響からか、大型のものが頻繁に発生し、記録的な豪雨で各地に甚大な被害をもたらしています。読者の中にも、過去に台風でご自宅が被害を受けたことがあるという方もおられるのではないでしょうか。
 さて、それでは台風による強風や大雨で自宅の屋根が破損した場合、保険を使ってそれを修理することができるのをご存知でしょうか?特別な保険に加入しておく必要は一切ありません。意外と知られていませんが、おそらくどのお宅でも加入されているであろう火災保険を使えば良いのです。
 「何で火災保険で?」と思われる方もおられるかもしれません。無理もありません。名称だけ見れば、「火災保険は火事のための保険」というイメージが強いからです。でも小手茂で保管している契約内容をよく確認してみて下さい。実は火災保険は、思っている以上に色々なものを補償してくれる保険だということがよく分かると思います。掛け金によって補償範囲はもちろん変わりますが、どの保険会社の火災保険でも、ほとんどのプランで「風災」「雹災」「雪災」を補償対象にしています。つまり台風による強風で屋根が吹き飛ばされてしまったり、風で飛ばされてきた石などで破損し場合も、火災保険を使って修理ができるわけです。
 ただし、いざ保険を使って屋根を修理しようと思っても、ことが簡単に運ばない場合があります。実は、手続きがとても面倒な上、保険金が下りるまでに長いと1ヶ月近くかかってしまうことがあるのです。手続きがなかなか進まないため、屋根の修理に保険を利用することを嫌がる業者もいるそうです。ではどこに相談すれば良いのでしょうか?
 (一社)優良リフォーム支援協会が認定する「自然災害鑑定士」という資格をご存知でしょうか?台風や大雨、大雪、落雷などの被害に遭われた方に対し、建築や不動産の知識を活かして、保険の利用などについてアドバイスできる方々のことで、自然災害に見舞われた地域で活躍されています。保険の申請には建築的な知識も必要ですので、お困りの場合は、お近くの自然災害鑑定士に相談することをお勧めします。最近は「火災保険を使ってリフォームできる」という謳い文句で、高額な手数料をだまし取るという悪質な業者が増えています。自然災害鑑定士は取得したら終わりの資格ではなく、取得後もセミナーや勉強会などを通じて、必要な知識やノウハウの取得に勤しんでいます。せっかく加入している保険を最大限有効活用するためにも、一度相談されてみてはいかがでしょうか。