闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第40回)|対談|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2023.05.08

闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第40回)

闘将野村「弱小企業を一流へと変える新経営理論」(第40回)
16 社員戦力の最大化!-伸びる組織の作り方➂

 監督とは何度か対談したが、監督は選手に個人的な感情は入れない。選手の個々の個人的な情報をあまり聞いたことがない。

-なぜ選手とプライベートで出かけられないのですか?コミュニケーションはとらないのですか?

野村 一緒に出掛けてしまうと、そこでで「行った選手」と「行かなかった選手」の間に不平不満が生じる。「僕は連れて行ってもらえなかった」となる。だから行かないんだ。

 社員が社長に求めるのは公平な評価である。野村監督は社員目線でどのように見られるかも常に考えている。社員は社長の動きを見て自分の戦力をどれくらい開放するのかを考えるのだから。

17 殴った方が勝者なのか?殴られた方が勝者なのか?①

【雑談】
-お金の管理は奥様がするのですか?

野村 ギャラでも給料でもみんな振り込みだから、俺の手元には一銭も入らない。100%奥さんが管理している。俺貧乏、奥さん金持ち。

-でも逆にその方がちゃんと財テクされているのではないですか?

野村 ちょっと「金くれ」と言うと、「何でお金がいるのよ!カード持っているじゃない!女でしょ!」って。ピンポーンだよ。

-そしたら浮気できないですね。

野村 もう浮気する元気もないけどね。

 何度か対談しているが、野村監督は決して偉ぶらないし、上からものを言うこともない。謙虚にどんな雑談でも返してくれる。私の歳と監督は40歳近く違うが、3時間話していても飽きさせない。面白いのである。監督時代、新聞やテレビに取り上げてもらうために、マスコミを飽きさせない話題を提供できたのも、この話術(営業力)があったからかもしれない。

-監督時代はキャッチャーに、クセの見方やクセの利用の仕方を教えてきたんですか?

野村 教えるも何も興味持たないもん。

-それは無理ですね。

野村 ベンチで「真っすぐ!」「カーブ!」って言っていると「どこで分かるのですか?」って聞いてくる。だから「こうなったら真っすぐで、こうなったらカーブだ」って教えてやると「あ!本当だ。ありがとうございました!って。それでバッターボックスでそれに合わせて打つのかと思ったら三振で帰ってくる。「何やってんだお前!癖出ているじゃないかっ!」って言ったら、あるバッターは「一生懸命癖を見ていたら、ボールがここまで来てたんです」って。「馬鹿かお前は」って、笑っちゃったな!ああいう癖を利用するっていうのは慣れなんだよ。いまだに俺はピッチャー見てると癖探ししているよ。

(次号へ続く)