リフォーム取引販売士に聞きました~コーキングの施工に手抜きが発覚!~|リフォーム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
豆知識

2022.03.21

リフォーム取引販売士に聞きました~コーキングの施工に手抜きが発覚!~

リフォーム取引販売士に聞きました~コーキングの施工に手抜きが発覚!~
ただ安いだけの業者にご注意を!

 リフォーム業者の中には、手抜き工事をしたり、不必要な追加工事をして高額な代金を請求したりする悪質業者が多くいます。被害に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか?事例をもとに解説します。

「打ち合わせでは、コーキングは古いものを撤去した後、新たに施工し直すはずだったのに・・・。後になって既設のものに上塗りしただけだったことが分かりました。完全な手抜工事ですよね」

 神奈川県小田原市に在住の大谷健吾さんは、2017年に築25年の自宅の外壁塗装を行いました。工事を頼んだのは、大谷さん自らがネットで探した3業者のうち、見積り金額が最も安かったA社でした。

「工事内容はほとんど変わらないのに、施工期間が若干だけ短い分、代金が15万円ほど安かった。現地調査に来た担当者の雰囲気も良かったので頼みました」

 実際、これといったトラブルなどもなく、工事は予定通り進みました。契約から2週間後には工事が終わり、その出来栄えに大谷さんも大満足したそうです。
 しかし、塗装工事が終わってから半年後、庭の手入れをしていた大谷さんは、たまたまめくれ上がったコーキングを見つけました。

「不思議に思って手に取ってみたところ、コーキングが2層になっていることに気付きました。上下の劣化具合に明らかな差があったため、古いコーキングを撤去せずに、そのまま上塗りしただけだったことに気付きました」

 大谷さんはすぐにA社の担当者に連絡しました。すると電話口に出た担当者は信じられないことを口にしました。

「古いコーキングを撤去するとは一言も言っていません。計画書にも見積り書にも、『コーキングの新調』としか書いていないはずです」

 当時の計画書を確認してみたところ、確かに「古いコーキングを撤去する」とは一言も書かれていませんでした。

「打ち合わせの時は確かに言っていました。ネットにも「コーキングを新調する際は、古いコーキングは必ず撤去する」と書かれていたので、やってくれるものだと思い込んでいました」

 実際、A社の施工には問題はないのでしょうか?専門家に聞いてみました。

-当然、問題ありです。コーキングは雨風に長時間さらされることで、やがて硬化してひび割れていきます。そこから雨水などが侵入すると、外壁が傷んでしまいます。A社の施工は、単に見た目をキレイにしただけに過ぎず、劣化したコーキングはそのままです。事実、半年後にはめくれ上がってしまいました。一刻も早く、コーキングを全面的に施工し直した方が良いでしょう-

 大谷さんは仕方なく、別の業者に頼んで、コーキングをすべて新調し直しました。かかった費用は25万円でした。

「10万円を惜しんだ結果、25万円の追加費用がかかってしまいました。価格ばかり気にして、一番大事な品質の確認が疎かになってしまった結果です」

 外壁塗装は専門性が高いが故に、他のリフォーム工事と比べると、手抜きされやすい傾向にあります。トラブルに巻き込まれないためにも、外壁塗装に関する正しい知識を身に付けましょう。リフォームトラブルに関するご相談は、お近くのリフォーム取引販売まで。