知らないと損する、賢い補助金制度の使い方|リフォーム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2021.03.01

知らないと損する、賢い補助金制度の使い方

知らないと損する、賢い補助金制度の使い方
エアコンの電気代、15年で90万円節約

 自宅を快適にリフォームするための補助金制度があるのをご存知でしょうか?国や自治体は、耐震性や省エネ性能の高い家を普及させるために、さまざまな補助金制度を用意しています。リフォーム時に利用できる補助金制度を、実際の施工事例とともにご紹介します。

 神奈川県横浜市にお住いの田畑実さん(55)。2015年に、市の省エネ改修補助制度を活用して、当時築35年のご自宅をリフォームされたそうです。
 田畑さんがリフォームを考えるきっかけとなったのは、エアコンの故障でした。15年以上使っていたエアコンが壊れたため、近くの家電量販店に新しいものを買いに行ったところ、店員さんから次のような言葉をかけられました。

「最近のエアコンはどれも高性能で、効きが長持ちします。省エネ性能も高いので、かなり電気代を節約できると思いますよ」

季節ごとの温度変化が激しくなったせいでエアコンを使う機会が増え、以前よりも電気代が高くなったと感じていた田畑さんは、店員のこの言葉に納得し、最新式のエアコンを購入しました。
 -動作音は静かで、それでいて本体から噴出される空気は、依然とは比べ物にならないほど快適-最新エアコンの性能にすっかりご満悦の田畑さんでしたが、購入してか2週間ほどした頃から、あることが気になり始めました。

「効き目が長持ちすると聞いていたが、スイッチを切るとすぐに効き目がなくなってしまう。だから結局、またスイッチを入れる。こんなことを繰り返していたのでは、電気代が高くついてしまうのでは・・・」

 案の定、エアコン購入から1ヶ月後に来た電気代の請求金額は、以前とさほど変わりませんでした。
 そんなある日、田畑さんは高校時代の同級生で、リフォーム会社に勤める友人と食事をしました。そこで例のエアコンの話をしたところ、友人は意外なことを言いました。

「いくらエアコンの性能が良くても、家の断念性能が低かったら、効き目は長持ちしないよ。自宅は築何年なんだい?」

田畑さんが35年になると答えると、友人は

「それだとおそらく、エアコンの性能はフルに発揮できていないかも知れない。量販店の店員も悪気があって言ったわけではないだろう。まさかそんな古い家だと思っていなかったんじゃないかな。家の断熱改修工事を行えば、状況は一変すると思うよ」

 -家が古いとエアコンの利きが悪い-そんなことを考えてもみなかった田畑さんは、1週間ほど悩んだ後、家のリフォームを決意。友人にプランの作成と見積りを頼みました。
予算は100万円。打ち合わせの結果、改修は、新しいエアコンを取り付けたリビングダイニングを中心に行うことになりました。ここで友人は田畑さんに対し、ある提案をしました。

「断熱改修を行うのであれば、横浜市の補助金制度を申請できるかもしれない。最大40万円くらいの補助金が出るので、それを活用して、古くなったキッチンもまとめて改修したらどうか」

 田畑さんは提案に従い、補助金の申請手続きを行いました。補助金は予算が決まっているため、タイミングが遅いともらえない場合もありますが、幸いにも田畑さんは、満額となる40万円の補助を受けることができました。
 工事は2週間ほどで終了。リビングとダイニングの床、壁、天井には断熱材が施工され、窓はペアサッシに交換されました。工事終了後、田畑さんは早速、エアコンの利きを試してみました。1時間ほどしてからスイッチを切ってみたところ、工事前は室温は30分もしたら元の状態に戻ってしまっていたのに、工事後は1時間経ってもほとんど変わりませんでした。

「家の断熱改修をしただけで、こんなにエアコンの利きが変わるとは思ってもみませんでした。これなら電気代をだいぶ節約できそうです」

 真夏や真冬など、エアコンの使用頻度が高い時期には、電気代は1万5000円前後かかっていたそうですが、リフォーム後は1万円を超えることがなくなったそうです。年間で6万円の電気代削減に成功したわけです。これから15年、エアコンを使うと仮定すると、電気代の節約額は90万円。実質、10万円の負担で断熱改修工事を行えたことになります。
 みなさんも「予算が足りない」と諦めてしまう前に、一度、利用できる助成金・補助金制度がないか調べてみて下さい。助成金・補助金制度を利用したリフォームのご相談は、お近くの全国優良リフォーム会員まで。