建物管理の『嘘』を暴け!~なぜ地域間格差があるのか?編~|リフォーム|住生活を支える新聞株式会社のWebマガジン
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2018.04.16

建物管理の『嘘』を暴け!~なぜ地域間格差があるのか?編~

建物管理の『嘘』を暴け!~なぜ地域間格差があるのか?編~
業者の少ない地方都市は割高

 (一社)消費者建物管理協会には、毎日さまざまなお問合せがあります。驚くことにその8割が、建物料金の金額についてのものです。
 一般の方には、見積金額が高いのか、それとも安いのか分かりにくい理由があります。それは、見積もりの取り方が地域によってバラバラだからです。
 一般的に、東京よりも大阪の建物管理会社に頼んだ方が安かったと言われるのも、そのためです。例えば貯水槽清掃の場合、東京ですと、「何トンですか?」「高架水槽はありますか?」といった質問をされます。貯水槽の大きさや高架水槽のあるなしで費用を算出して、8トンですから金額はこの値段になりますという具合に見積りが出てきます。
 一方大阪ですと、4トンも8トンも清掃に来る人の人数は変わらないのだから、値段が大きく変わるのはおかしいとなります。せめて清掃時間の伸びた2時間分の時給を上乗せするだけにしてくれと言われることが多く、建物の規模が大きくなったからといって金額が極端に跳ね上がることがありません。また、建物管理会社の規模によっても見積りの取り方は変わってきます。大手であれば前者のような見積もりが出てくるケースが多いですが、地元の中小メンテナンス会社だと後者のような見積もりになる傾向が強いです。
 ㎥や何台で計算する会社と、人工代金(1人が仕事をした時の単価)で計算する会社の違いから、一般的には、東京の建物管理会社より大阪の建物管理会社の方が、3割程メンテナンス代金が安くなります。
 先日、毎月作業車で大阪から東京まで行って、ビジネスホテルで泊まりながら作業をしている消防点検の会社に取材をしました。曰く、交通費とビジネスホテルの代金を入れて請求しても、東京のメンテナンス会社よりも安いと言われるそうです。
地域間格差が出るものは他にもあります。立体駐車場の点検費用や消防点検、貯水槽点検、エレベーター点検などはその最たるものでしょう。安いと言われると、「安かろう悪かろうではないのか」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、報告書も捺印されたものが上がってきますので、心配はいりません。
一方、地方都市の建物メンテナンス料金は、東京よりも高くなるケースが多いです。都心に比べて人件費がやすいのにどうしてだろうと思われるかもしれません。その理由は、そもそも業者の数が少ないため、価格競争が起きにくいからです。中には、大阪や東京の倍近くのメンテナンス料金を支払っているという会社も少なくありません。安く発注したくても、頼める業者が少ないとどうしても高額になってしまうのです。
そうした場合は、スケールメリットを活かせば良いと思います。1件だけで点検を依頼すると高くなりますが、数をまとめて発注すれば、多少遠い場所からでも来てくれる点検業者もあります。所有物件をまとめて発注する、あるいは不動産賃貸会社であれば、「複数のオーナーの物件をまとめてお願いするので」と言えば、価格交渉にも応じてくれる業者があるはずです。
 この機会に一度、ご自身の毎月の点検報告書の見積を確認してみてはいかがでしょうか。料金面などに不安があるという方は、お近くの全国優良リフォーム会員にご相談ください。価格や業者の見直しなど、すぐに対応してくれます。